隠された泉南アスベスト (石綿)、被害の現場を歩く 柚岡一禎 ~「アスベスト惨禍を国に問う」より~泉南アスベストの記録
本稿は、「アスベスト惨禍を国に問う」(大阪じん肺アスベスト弁護団【現・大阪アスベスト弁護団 】+泉南地域の石綿被害と市民の会【現・泉南アスベストの会 】 かもがわ出版2009年)の「第二章 隠された被害の現場を歩く」の全文を引用したものです。
泉南アスベスト被害の実相を伝える貴重な報告であることから筆者の柚岡一禎氏に加筆修正をお願いし、ここに掲載することができました。柚岡氏には厚く御礼申し上げます。
日本のアスベスト被害の原点である泉南アスベストとは。
当サイトに掲載した泉南アスベスト関連記事(本稿末にリンク)と合わせてお読みいただければ幸いです。
■戦争と石綿■高度成長を支える■日本の石綿産業の中心■「石綿村」と呼ばれる地区も
■作業工程①【混綿】【カード】【リング・ロービン】【インター】■作業工程② 【織布】【パッキン】【石綿布団】
■雪のように降り積もった■粉じんの中の子育て■24時間粉じんに晒(さら)される■地域全体がひとつの「石綿工場」だった■見えてきた被害の実態
■国は戦前から被害を把握■医師たちの警告■新聞報道でも
■石綿被害のまち■埋もれた被害を掘り起こす■ある女工の場合■差別が覆い隠す石綿被害
ゆおか・かずよし
1942年5月生まれ。「泉南地域の石綿被害と市民の会」代表。学生時代を除き泉南市に在住。紡績業を経て現在は建築業。武道教室「有朋館」主宰。元株主オンブズマン会員。
当サイトの泉南アスベスト関連記事
目次
- 「救済したいという思いでの必死の闘いでした」村松昭夫・大阪アスベスト弁護団団長がコメント「滝井繁男行政争訟奨励賞」受賞
- 大阪アスベスト弁護団が「滝井繁男行政争訟奨励賞」受賞~泉南アスベスト国賠訴訟最高裁勝訴を評価
- 隠された泉南アスベスト (石綿)、被害の現場を歩く 柚岡一禎 ~「アスベスト惨禍を国に問う」より~泉南アスベストの記録
- 隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 五 底知れぬ石綿被害の広がり 柚岡一禎
- 隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 四 黙殺された告発 柚岡一禎
- 隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 三 石綿粉じん-誰も逃れられない 柚岡一禎
- 隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 二 石綿糸・布ができるまで 柚岡一禎
- 隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 一 石綿のまち泉南小史 柚岡一禎
- 泉南アスベスト国賠訴訟の経緯と意義について
- アスベスト国賠訴訟の解説:5地裁に16件のアスベスト(泉南型・工場型)国賠提訴 1月までに5件(被害者数26人)和解(2016年1月現在)/最高裁判決後の動き
- 泉南国賠訴訟最高裁判決その後:泉南型国賠訴訟、泉南・紡織以外でも提訴続く-<石綿製品製造工場に必ずしも限定されない>。国側は「石綿ばく露状況」の立証要求
- 泉南アスベスト国賠訴訟最高裁判決の意義と課題-すべての被害者に迅速かつ全面的な救済を/村松昭夫
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟最高裁判決(2014.10.09)-国家責任を認定、提訴約8年半、司法判断確定/国が謝罪し同様被害の裁判含め和解へ
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟最高裁判決を受けての原告団・弁護団声明(2014.10.09)/塩崎厚生労働大臣談話についての原告団・弁護団のコメント(2014.10.22)
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟( 一陣、二陣)最高裁判決 2014年10月9日
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟第二陣大阪高裁判決、国の上告を受けての原告団・弁護団声明(2013年12月25日、2014年1月7日)
- 泉南アスベスト国賠訴訟第二陣大阪高裁判決骨子・要旨/2013年12月25日
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟大阪第二陣大阪地裁判決(2012.03.28)-国の責任認めるも第一陣地裁判決とは異なる判示、控訴審へ
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟第二陣大阪地裁判決の理由骨子と要旨(2012.03.22)/判決及び控訴に当たっての原告団・弁護団声明
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟大阪第一陣大阪高裁判決(2011.08.25)-行政追随判決で原告逆転全面敗訴 人命軽視の経済発展優先政策を容認 。殺人容認判決を引き出した政治の責任も問われる
- 泉南アスベスト国賠訴訟第一陣大阪高裁判決要旨/2011年8月25日
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟:第一陣大阪地裁判決(2010.05.19)-国の責任認めた判決と控訴断念・解決求めた東京行動
- 泉南アスベスト国家賠償訴訟:第一陣大阪地裁判決の要旨(2010.05.19)
- 大阪アスベスト国賠泉南一次訴訟の意義と特徴/村松昭夫
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「救済したいという思いでの必死の闘いでした」村松昭夫・大阪アスベスト弁護団団長がコメント「滝井繁男行政争訟奨励賞」受賞
大阪アスベスト弁護団が2002(令和2)年度の滝井繁男行政争訟奨励賞を受賞した。 受賞に際して、村松昭夫弁護団長からコメントをお寄せいただいた。 泉南アスベスト国賠訴訟は、相手が国であることもあり、提訴当初は、勝訴できる […]
大阪アスベスト弁護団が「滝井繁男行政争訟奨励賞」受賞~泉南アスベスト国賠訴訟最高裁勝訴を評価
目次被害者救済に大きな功績、規制行政にも大きな影響当サイトの泉南アスベスト国賠訴訟関連記事 被害者救済に大きな功績、規制行政にも大きな影響 元最高裁判事で弁護士の滝井繁夫氏の遺言により設置されている「滝井繁男行政争訟奨励 […]
隠された泉南アスベスト (石綿)、被害の現場を歩く 柚岡一禎 ~「アスベスト惨禍を国に問う」より~泉南アスベストの記録
本稿は、「アスベスト惨禍を国に問う」(大阪じん肺アスベスト弁護団【現・大阪アスベスト弁護団 】+泉南地域の石綿被害と市民の会【現・泉南アスベストの会 】 かもがわ出版2009年)の「第二章 隠された被害の現場を歩く」の全 […]
隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 五 底知れぬ石綿被害の広がり 柚岡一禎
目次■石綿被害のまち■埋もれた被害を掘り起こす■ある女工の場合■差別が覆い隠す石綿被害おわりに ■石綿被害のまち 2005(平成17)年6月、クボタによる石綿被害が発覚したとき、筆者の正直な気持ちは、「尼崎にも石綿はあっ […]
隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 四 黙殺された告発 柚岡一禎
目次■国は戦前から被害を把握■医師たちの警告■新聞報道でも ■国は戦前から被害を把握 泉南では早くから石綿による健康被害が広がっていた。このことは、1937(昭和12)年から1940(昭和15)年にかけて行われた内務省の […]
隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 三 石綿粉じん-誰も逃れられない 柚岡一禎
目次■雪のように降り積もった■粉じんの中の子育て■24時間粉じんに晒(さら)される■地域全体がひとつの「石綿工場」だった■見えてきた被害の実態 ■雪のように降り積もった 石綿工場での粉じんの飛散は激甚で、従事者は逃れよう […]
隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 二 石綿糸・布ができるまで 柚岡一禎
石綿製品は、防火シールド、耐火服、船舶のボイラー、断熱材、航空機のブレーキ、自動車のブレーキライニング、クラッチフェーシング、建材、水道管等多岐にわたる。そのうち、建材と水道管等を除く製品のほとんどは、泉南の石綿糸・布を […]
隠された泉南アスベスト(石綿)、被害の現場を歩く 一 石綿のまち泉南小史 柚岡一禎
目次■戦争と石綿■高度成長を支える■日本の石綿産業の中心■「石綿村」と呼ばれる地区も ■戦争と石綿 日本における石綿紡織業は、日本アスベスト株式会社(現ニチアス)の創業者の一人栄屋誠貴が、1907(明治40)年に大阪府泉 […]
泉南アスベスト国賠訴訟の経緯と意義について
片岡明彦(関西労働者安全センター) 泉南はじめアスベスト国賠訴訟についての当サイトの関連情報 目次1 泉南にはじめてのアスベスト(石綿)工場設立(1907年)からクボタショック(2005年)後の最後の石綿工場廃業まで2 […]
アスベスト国賠訴訟の解説:5地裁に16件のアスベスト(泉南型・工場型)国賠提訴 1月までに5件(被害者数26人)和解(2016年1月現在)/最高裁判決後の動き
片岡明彦(関西労働者安全センター/中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会) 目次泉南アスベスト国賠訴訟の意義厚生労働省の和解方針「石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々に対する和解手続による賠償金のお支払いにつ […]
泉南国賠訴訟最高裁判決その後:泉南型国賠訴訟、泉南・紡織以外でも提訴続く-<石綿製品製造工場に必ずしも限定されない>。国側は「石綿ばく露状況」の立証要求
目次泉南アスベスト国賠訴訟和解から「泉南石綿の碑」建立200人の参加で建立式韓国からは「感謝牌」贈呈最高裁判決から謝罪・和解類似事案も訴訟上の和解石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々に対する和解手続による賠償 […]
泉南アスベスト国賠訴訟最高裁判決の意義と課題-すべての被害者に迅速かつ全面的な救済を/村松昭夫
(泉南アスベスト国賠訴訟弁護団 団長、大阪アスベスト弁護団 団長) 【出典】 労働の科学 70巻9号 2015年「特集:アスベスト問題は終わっていない」 目次はじめにアスベスト被害の原点―泉南アスベストなぜ国の責任か判断 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟最高裁判決(2014.10.09)-国家責任を認定、提訴約8年半、司法判断確定/国が謝罪し同様被害の裁判含め和解へ
澤田慎一郎(全国労働安全衛生センター連絡会議 事務局次長) 大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟の最高裁判決が2014年10月9日に出た。原告側が裁判所前で掲げた旗は、「勝訴」と「最高裁国の責任を断罪」であった。 200 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟最高裁判決を受けての原告団・弁護団声明(2014.10.09)/塩崎厚生労働大臣談話についての原告団・弁護団のコメント(2014.10.22)
目次声明(2014(平成26)年10月9日)2014年10月22日塩崎厚生労働大臣談話についての原告団・弁護団のコメント 声明(2014(平成26)年10月9日) 大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団/泉南 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟( 一陣、二陣)最高裁判決 2014年10月9日
目次第二陣最高裁判決平成26年(受)第771号損害賠償請求事件平成26年10月9日第一小法廷判決主 文理 由第1 事案の概要第2 被上告人X1を除く被上告人らに対する上告について第3 被上告人X1に対する上告について第4 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟第二陣大阪高裁判決、国の上告を受けての原告団・弁護団声明(2013年12月25日、2014年1月7日)
目次原告団・弁護団声明(2013.12.25)原告団・弁護団声明ー国の道理なき不当上告に断固抗議するー(2014.01.07) 原告団・弁護団声明(2013.12.25) 泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団大阪 […]
泉南アスベスト国賠訴訟第二陣大阪高裁判決骨子・要旨/2013年12月25日
平成24年(ネ)第1796号 大阪高裁第13民事部 目次判決骨子第1 省令制定権限不行使による国の責任の存否について1 局所排気装置の設置の義務付けの不行使の違法性2 石綿粉じん濃度規制の不行使の違法性3 防じんマスク使 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟大阪第二陣大阪地裁判決(2012.03.28)-国の責任認めるも第一陣地裁判決とは異なる判示、控訴審へ
澤田慎一郎(全国労働安全衛生センター連絡会議 事務局次長) 目次民主主義を愚弄する民主党の意思決定者たち~泉南アスベスト問題解決の先送りから見えたもの~はじめに判決の要点民主主義を愚弄した小宮山厚生労働大臣政治理念の溶解 […]
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平成21年(ワ)第14616号、平成22年(切第370号、10836号、15995号、17231号、平成23年(ワ)第2656号、8831号損害賠償請求事件 目次判決理由骨子判決理由要旨1 昭和35年の時点における省令制 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟大阪第一陣大阪高裁判決(2011.08.25)-行政追随判決で原告逆転全面敗訴 人命軽視の経済発展優先政策を容認 。殺人容認判決を引き出した政治の責任も問われる
澤田慎一郎(全国労働安全衛生センター連絡会議 事務局次長) 2011年8月25日、大阪高等裁判所(三浦潤裁判長)は、大阪・泉南アスベスト国賠訴訟の国の責任を認めた大阪地裁判決を全面的に取り消し、原告らの請求を棄却する不当 […]
泉南アスベスト国賠訴訟第一陣大阪高裁判決要旨/2011年8月25日
目次判決主文理由の要旨第1 事実経過等第2 判 断第3 結 論 判決主文 1 第1審被告の本件控訴に基づき、(1) 原判決中、第1審被告敗訴部分(原判決主文第1項)をいずれも取り消す。(2) 第1審原告らの請求のうち、上 […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟:第一陣大阪地裁判決(2010.05.19)-国の責任認めた判決と控訴断念・解決求めた東京行動
古谷杉郎(全国労働安全衛生センター連絡会議 事務局長) 目次泉南被害の解決をアスベスト対策見直しの出発点に!原告勝訴の大阪地裁判決1 石綿関連疾患についての医学的または疫学的知見の集積時期並びに被告が石綿紛じんばく露によ […]
泉南アスベスト国家賠償訴訟:第一陣大阪地裁判決の要旨(2010.05.19)
目次1 石綿関連疾患についての医学的又は疫学的知見の集積時期並びに被告が石綿粉じんばく露による被害の実態及びそれへの対策の必要性を認識した時期2 昭和35年の時点における石綿肺防止のための被告の省令制定権限不行使の違法性 […]
大阪アスベスト国賠泉南一次訴訟の意義と特徴/村松昭夫
泉南アスベスト国賠訴訟の意義と特徴について、現在の大阪アスベスト弁護団の団長をされている村松昭夫氏が書かれた提訴当時の論稿を紹介する。村松氏が泉南アスベスト問題に関わるようになった経緯については、「国家と石綿」(永尾俊彦 […]
泉南の石綿被害を調査し、警鐘を鳴らした医師たち-瀬良好澄、梶本政治-新聞記事にみる泉南アスベスト国賠訴訟前史
2006年5月26日に提訴し、2014年10月9日に最高裁で勝訴した泉南アスベスト国賠訴訟。 クボタショック後まではほとんど社会的に無いことのように扱われてきた泉南の石綿被害に取り組み、報告し、警鐘を鳴らした医師、研究者 […]