大型マート3社『箱の取っ手』を80%台に拡大 2020年12月27日 韓国の労災・安全衛生
宅配運転士とマート労働者が、腰に無理なく重い物を移せるように、箱に取っ手の穴を付ける方案が来年から拡大推進される。雇用労働部は、国内の主な流通社、メーカー、宅配社と協議して、来年から大型マートの陳列商品などの箱に、取っ手の設置を拡大することにしたと明らかにした。大型マート3社の自社商品の取っ手の設置率を、80%台にまで引き上げる計画だ。
この間、マート労働者、宅配運転手などは、取っ手のない箱に入った重量物を運んで、筋骨格系疾患を病むケースが多かった。取っ手がなければ、箱の底に手を入れて、箱を抱えて持ち上げなければならないが、この場合、脚よりは腰の力を使うことになり、腰の負担になる。
昨年5月、マート産業労働組合と労働環境健康研究所が、マート労働者5177人を調査した結果、筋骨格系疾患で病院で治療を受けた経験があると答えた者が69.3%に達した。実際に筋骨格系疾患で産災の承認を受ける卸・小売業の従事者は毎年増加して、昨年は834人を記録した。
これに対して労働界は、政府と製造・流通社などを相手に、箱に取っ手の穴を開けることを要求してきた。箱に取っ手を付ければ、膝を曲げて脚力で物を持ち上げることができて、腰の負荷を約10%減らすことができる。身体が感じる重さも最大7㎏ほど減らす効果がある。
イ・ジェガプ労働部長官が昨年10月の国政監査で、「箱の取っ手設置方案作り」を約束し、今年、イーマート、ホームプラス、ロッテマートの大型マート3社が、箱の取っ手の設置を始めたがなかなか進まなかった。今年10月末現在、大型マート3社が自ら製作した自社商品1440種のうち、取っ手が設置された箱は130種で9.0%の水準だ。
労働部は大型マート3社と協議して、自社商品に対する取っ手の設置率を平均80%まで引き上げることにした。今年の末までに20.6%に増やし、来年末には82.9%にまで拡大する計画だ。
メーカーの一部と宅配社も、取っ手の設置に参加することにした。LG生活健康、CJ第一製糖、東遠F&Bは、旧正月の贈り物セット全体の18.9%に当たる127種に、取っ手を設置することにした。一般製品に対する取っ手の設置率も、現在の1.6%から来年には7.8%にまで拡大する。CJ大韓通運、ロッテ・グローバルロジス、韓進宅配、ローゼン宅配などの宅配社も、67万個の箱に取っ手を設置することにした。クパン、SSG、マーケットカーリなど、オンライン流通社も、47万5000個の箱に取っ手を設置する計画だ。
これと同時に、労働部と産業安全保健公団は、重さが5㎏を超える箱には取っ手の穴を開けるとする『箱取っ手ガイド』を作って配布する予定だ。ガイド通りに作られた取っ手は『やさしい取っ手』と名付けて、緑色の『やさしい取っ手ステッカー』を箱に貼ることにした。
イ・ジェガプ長官は、「箱の取っ手が、企業が経済性だけでなく、労働の目で生産と経営を見る重要な契機になることを願う。」「消費者も労働者に配慮する企業と商品を選択することを願う」と話した。
2020年12月27日 京鄕新聞 イ・ヒョサン記者
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202012271628001&code=940702