合意5日目・・宅配労使、分類要員を巡って『争い』 2020年1月26日 韓国の労災・安全衛生
宅配労働者の過労死防止のための社会的合意ができて5日目、労使が分類作業への人員投入に関する合意文の解釈を巡って対立し、再び争いが起こっている。宅配労組は、社会的合意によって撤回したストライキを再び検討すると明らかにした。
宅配労働者過労死対策委員会は26日、民主労総サービス連盟で記者会見を行い、「宅配会社が支店と営業店に『分類作業は現行通り(宅配運転手が)行う』という公文書を出して社会的合意を破棄している」と主張した。
21日、宅配業界の労使、政府、与党、消費者団体、荷主団体などが集まった社会的合意機構は、分類作業を宅配運転士にさせないと明示した『過労死対策一次合意文』を発表した。『カデギ』と呼ばれる分類作業は、宅配運転手の労働時間全体の半分近くを占め、過労死の主な原因と指摘されている。
合意文によれば、宅配会社は分類作業設備の自動化推進計画を樹立し、自動化が完了するまでは、宅配会社と営業店が分類専門担当要員を投入したり、分類作業を行った宅配運転士に手数料を支給しなければならない。宅配費・宅配料金など、取り引き構造の改善作業が完了するまでは、宅配会社が昨年下半期に投入すると発表しただけの分類要員を投入することにした。各宅配会社が投入すると約束した分類要員は、CJ大韓通運が4000人、韓進宅配、ロッテグローバルロジスが1000人だ。
労組は、宅配会社が昨年10月に発表した分類要員だけを投入し、それ以上は投入しないという考え方だとし、そうなれば、ロッテと韓進は宅配労働者の70%以上、CJ大韓通運は約15%が、今までと同じように無料の分類作業をしなければならないと主張した。「宅配会社が社会的合意の前に発表した過労死防止対策だけを行い、合意機構の努力を水の泡にしようとしている」ということだ。
対策委のチン・ギョンホ執行委員長は「分類作業は宅配運転士の業務ではないとする合意内容に正面から違反する。」「前日、各宅配会社に後続対策を準備するための面談を要請したが、返事がなかった」と話した。宅配労組のキム・テワン委員長は「今晩、中央執行委員会を緊急招集して、今後の細部計画を議論する。」「合意が破棄される状況なら、変えさせるために何かしなければならない」として、社会的ゼネストを含む団体行動に言及した。
宅配労組が20~21日に実施した争議行為賛否投票には、組合員5135人の97%が参加し、91%が賛成した。宅配労組は27日から全面ストを行うと予告していたが、社会的合意で妥結したために計画を撤回していた。
これに対して宅配会社は、「合意を忠実に履行している。合意案の破棄は全く事実ではない」とした。合意した通り、昨年約束した規模の分類要員を投入するために努力中だということだ。与党の関係者は「合意が壊れないように労使を説得している」と話した。
2021年1月26日 京鄕新聞 チョン・テヨン記者
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