配達労働者の安全、プラットホームの設計・運営に反映する 2022年1月20日 韓国の労災・安全衛生

20日に行われた、配達プラットホーム従事者安全協約の締結式で、雇用労働部長官をはじめ、政府関係者やプラットホーム事業者が協約書に署名した後、記念撮影を行っている。/聯合ニュース

配達の民族、クパンイーツなど、食料配達のプラットホームを運営する企業と政府が、労働者の安全のための協約を結んだ。プラットホーム労働者の権益を保護する「プラットホーム従事者法(プラットホーム従事者の保護及び支援等に関する法律案)」の制定についての議論が遅れている状況で、企業と政府が、先ず安全保障のために努力することに合意したのだ。

雇用労働部は20日、12の食品配達プラットホーム企業、国土交通部、警察庁と一緒に、「配達プラットホーム従事者の安全で健康な職場を造成するための協約」を締結したと発表した。

協約は、企業がプラットホームの設計と運営に、労働者の安全を反映するようにした。プラットホームが事故を誘発しないように、事故予防と交通法規遵守などの安全情報を提供する機能を、プラットホームに組み込ませるとした。労働者の意思によって休息を保障する機能、一日単位のプラットホームの利用内訳を確認できる機能をプラットホームに追加し、業務上の苦情を提起できる窓口を運営するという情報もある。企業は常時・定期的に事故事例や安全運転方法、天候・交通・道路状況による危険要因と準備方法などの情報を労働者に提供し、教育も実施するとした。

また、企業と政府は、配達労働者に対する配達の催促や、配達と関係のない要求、特定配達方法の強要を防止し、配達労働に対する社会的な認識の改善にも取り組むとした。政府は企業が協約内容を自発的に履行するために必要な制度的な基盤を造成し、財政的な支援もするとした。

昨年の8月27日、ソウルの宣陵駅前で、貨物車にひかれて死亡したオートバイ配達労働者を追悼し、花と酒を手向けている。/カン・ユンジュン記者

 労働部が昨年11月に配達プラットホーム業者に登録された労働者5626人に実施したアンケート調査によると、二人に一人は交通事故を経験していることが分かった。平均2.4回の事故を経験しており、5回以上の事故を経験した人も15%に登った。事故発生の原因としては、相手方または本人の交通法規違反が72.6%で最も多く、危険運転をする最も大きな原因として、「配達の催促」が挙げられた。オンラインショッピングサービスの取引額は17年の2兆ウォン台から、昨年20兆ウォン台に増えた。

  アン・ギョンドク労働部長官は「今回の協約は、多くの企業が自律・自発的に従事者の安全のために協力したという点で意味がある」とし、「配達産業に安全文化が広がり、従事者の事故を予防できる契機になる」と話した。但し、プラットホーム労働者の保護に関する立法はまだ足りていないのが現状だ。労働界は、プラットホーム労働者をきちんと保護するためには、彼らを労働関係法令上の労働者と推定し、これを否定する場合は、企業が立証する方向で立法すべきだと主張している。これに対して政府は否定的な立場で、国会のプラットホーム従事者法の制定を巡る議論には、大きな進展がない。

2022年1月20日 京郷新聞 イ・ヘリ記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202201201643011