経歴13年のカジノ・ディーラー、筋骨格系疾患(手根管症候群)で労災認定 2020年8月5日/韓国の労災・安全衛生
韓国・勤労福祉公団が、外国人専用カジノ『サブラック』を運営する公企業・グランドコリアレジャー㈱所属のカジノ・ディーラー・Aさんに発症した筋骨格系疾患の一種・手首結節症※を業務上災害と認定した。会社が運営を初めて14年を越えるが、ディーラーが筋骨格系疾患で産業災害を認められるのは初めて。
トマト労務法人によれば、勤労福祉公団は先月7日、Aさんに発症した手首結節症を業務上災害と認定した。Aさんは2006年11月から現在まで、サブラックの支店で働いている。Aさんは13年間、顧客が訪問した時に、テーブルでのチップ交換、カードの混ぜ合わせ・分配、ルーレットを回すなどの業務を行っている。
Aさんが手首に異常を感じて最初に病院を訪問したのは昨年5月。左側の手首は薬品治療で症状が好転したが、右手首は痛みが激しくなり、10月に手首結節症の手術を受けて産業災害を申請した。
ピョン・ソジン公認労務士は、「チップを交換する時に、水平に重なっているチップを20個単位で、親指と人差し指、中指の三つを使って握り、垂直方向にして、お客さんに渡さなければならない」ので、「指と手首に力が入って、手首がどうしても痛む」とAさんの業務を説明した。
グランドコリアレジャーはAさんの間違ったやり方のせいだとして、業務関連性がないと反論した。ソウル業務上疾病判定委員会の判定書を見ると、会社は「ディーラーがゲームを進める行為のうち、右手を持続的に回転したり力を集中して曲げる動作は、本人の間違った勤務姿勢と個人的な習慣によって発生する行動」としながら、「入社時教育では、手に過度に力を集中したり、曲げるような動作は教えていない」と主張した。
疾病判定委は「カジノ・ディーラーの仕事をすれば、指に力を集中してチップを掴む動作と、カードを配る時にめくる動作が繰り返され、右側の手首に業務の負担が大きいと判断される」とした。
ピョン労務士は、「開場して14年が過ぎるのに、ただの一件の申請・認定事例がなかった」が、「これは産災(労災)申請を見る使用者の否定的な態度によって、申請を考えることもできない雰囲気の中で、個人の疾患として措置するしかなかった状況を示す」と指摘した。
2020年8月5日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=165893
※訳注:手首結節症は、記事の内容から手根管症候群とみられる。