韓国・労働部、111の地方自治体を産安法(労安法)違反で送検 -筋骨格系に有害な要因を未調査 2020年10月13日 韓国の労災・安全衛生

雇用労働部が、環境美化員に対する筋骨格系の有害要因の調査をしなかった111の地方自治団体長を、産業安全保健法違反の疑惑で、検察に起訴意見で送検したことが確認された。170の自治体長に対しては、産業安全保健委員会の未設置、安全保健管理規定の未作成、管理責任者・安全管理者・保健管理者の未選出などで、合計16億8476万ウォンの過怠金を賦課していた。

正義党のイ・ウンジュ議員(行政安全委員会)は13日、労働部に提出させた『2018年民主一般連盟の地方自治体産業安全保健法違反告発の処理結果』を分析して、発表した。

地方自治体の民間委託清掃労働者が加入している民主一般連盟は、2018年1月に「各地方自治体の産業安全保健法違反によって、多くの環境美化員が仕事中に亡くなった」として、243の自治体長を労働部に告発した。地方自治体が環境美化員の産業災害予防のための安全保健措置を履行していないという理由だった。

環境美化員がソウル、光化門広場でレインコートを着て清掃をしている。/クォン・トヒョン記者

産業安全保健法で、事業主は労働者が重い物を持ったり、単純反復的な動作など、筋骨格系に負担になる作業をする場合、3年毎に、作業場の状況、作業条件などに関して調査をしなければならない。違反時には5年以下懲役や5000万ウォン以下の罰金が賦課される。

資料を見ると、民主一般連盟の産業安全保健法違反告発の件について、労働部は鍾路区、中区、瑞草区、東大門区など、111の地方自治体が筋骨格系の有害要因調査を実施していない疑惑があるとして、起訴意見で検察に送検し、管理責任者・保健管理者の未選定、安全保健教育の未実施、産業安全保健委員会の未設置などの疑惑で、170の地方自治体に16億8476万ウォンの過怠金を賦課した。この内34ヶ所は裁判中だ。

イ・ウンジュ議員は「労働部が環境美化員に対する筋骨格系の有害要因調査をしなかった111の自治体長を、産業安全保健法違反の疑惑で検察に起訴意見で送検したことは幸いだが、道路清掃労働者に対する筋骨格系有害要因を調査しなかった地方自治体を不起訴意見で送検したことは遺憾だ」と話した。

イ議員は「産業安全保健法施行規則では、筋骨格系に負担を与える作業によって産業災害と承認された業務は、筋骨格系有害要因の調査対象と規定している」とし、「街路清掃労働者の場合、過去に頚部ヘルニヤ、橈骨遠位部腱鞘炎、肘関節症候群など、筋骨格系疾患で産業災害の承認を受けた事例がある以上、筋骨格系有害要因の調査対象に含ませなければならない」とした。更に「筋骨格系の有害因子の調査はそれほど難しいことではないにも拘わらず、環境美化員の健康管理を疎かにしてきた地方自治体の自覚を要求する」とし、「根本的には産業安全保健法施行令上の『公共行政』という、曖昧で広範囲な対象に対して適用除外をした結果として出てきた問題で、施行令を改正して、公務員災害補償が認められる公務員を除いては、すべて業種別適用基準によって産業安全保健法を適用すべきだ」と話した。

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202010131837001&code=940702

2020年10月13日 京鄕新聞 キム・ジファン記者