梱包作業での両手首腱鞘炎、労災認定~中国帰国者の女性の事例●東京

中国帰国者の0さん(女性41才)は、江東区有明にあるK物産の物流庫で、バートタイマーとして働いていた。仕事は百貨店の贈答品の包装や梱包作業だった。

入社して1年目頃から、様々なギフト商品(酒、調味料、化粧品、缶詰セット)扱っている際に、両手首に痛みが走るようになった。その後、毛布やシーツ、布団を扱う部所に配置替えとなったが、以前にも増して手首に負担のかかる力仕事となり、たまらず上司に願い出て値札を発行する機械の入力業務に移してもらった。しかし、狭い机に無造作に置かれただけのキーボードを打っ仕事は長く続かなかった。

両手首の腱鞘炎により、日常生活さえままならない状態になり、昨年7月から休業せざるをえなくなった。

もともと江戸川ユニオンの組合員であったOさんは、会社と交渉し、亀戸労働基準監督署に労災申請を行なった。そして、ユニオンや東京東部労災職業病センターの協力を得て自己意見書の提出や署交渉を続け、やっと本年6月末業務上認定を勝ち取ることができた。

痛みきった手首の回復は徐々にしか進まず、家庭環境の変化もあり、たいへん辛く不安な生活を送らざるをえなかったOさんは、業務上認定を受け幾分かは精神的にも落ち着かれたようだ。この夏、Oさん一家は、5年ぶりの中国・長春への帰国を果たされようとしている。

記事/問合せ:東京東部労災職樂病センター(現・東京労働安全衛生センター)

安全センター情報1993年9月号