サムソン半導体工場で有害化学物質を取り扱った下請け労働者、脳腫瘍で死亡/韓国の労災・安全衛生2025年7月22日

サムソン電子の華城半導体工場で有害化学物質を扱った協力業者の労働者が、脳腫瘍で亡くなった。遺族は故人の作業環境のために脳腫瘍が発病したという理由で労災を申請する計画だ。
22日「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)はサムソン電子華城事業場の協力業者の漢陽E&Gなどに所属し、14年間仕事をしたAさん(42)が、脳腫瘍で闘病一年五ヶ月目の21日に亡くなったとした。
Aさんは2010年から昨年2月までサムソン電子華城事業場の半導体生産ラインに化学物質を供給する「中央化学物質供給システム」(CCSS)の維持・補修業務を担当した。該当設備には毒性・腐食性・引火性の化学物質が高純度液体の状態で保存されており、漏れたり配管が損傷した場合、急性中毒が発生する可能性が高い。2013年、華城事業場のCCSSルームでフッ酸漏れる事故が発生し、一人が死亡し、四人が負傷した。2016年にもCCSSルームで仕事をしていた労働者が悪性リンパ腫で亡くなった。
パノリムは、Aさんがこれといった保護具もなくて作業をしながら、高純度化学物質にばく露され、このために脳腫瘍が発病したと主張する。 パノリムは「故人と同僚の陳述によれば、作業者が有機溶剤のドラム缶を手動で連結し、分離するために栓を開けると、高純度化学物質から陽炎形態のヒュームが上がってくるのが見えるほどだった。」「2013年のフッ酸漏れ事故で、全面型呼吸マスクなどの保護具が導入される前までの四年間は、保護具もなく、危険千万な仕事を担当した」と明らかにした。続けて「半導体生産工程で使用した廃水が集まっているポンプを維持補修するときも有害蒸気とガスに継続的にばく露した」と強調した。
故人は自分の脳腫瘍が業務上の疾病に該当するとし、労災申請を準備していたところで死亡した。故人の遺族は勤労福祉公団に遺族給与を申請する計画だ。
パノリムは「故人の証言は、脳腫瘍が明白な労災であることを示している」とし、「サムソン電子は繰り返された労働者の死の前に謝罪し、補償と再発防止策をきちんと準備せよ」と要求した。
2025年7月22日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者