『23人死亡』アリセル惨事の責任者に、検察が懲役20年を求刑/韓国の労災・安全衛生2025年7月23日

「カン・クムボク、カン・スンボク、キム・ビョンチョル、イ・ヘオク…・・・(以下略)」
23日、水原地裁201号法廷。昨年6月、華城市のリチウム電池メーカーのアリセル工場で発生した火災で亡くなった労働者23人の名前が順に鳴り響いた。傍聴席に座っていた遺族の間からすすり泣きが聞こえた。遺族の法律代理人であるソン・イクチャン弁護士は、「残念な死が再発しないように厳罰を下して欲しい」と話した。『アリセル惨事』が発生して一年が過ぎたこの日、刑事14部の審理で、事故責任者に対する結審公判が開かれた。検察はアリセルのパク・スングァン代表に懲役20年、息子のパク・ジュンオン総括本部長に懲役15年を求刑した。「重大災害処罰などに関する法律」施行後、三年を越える期間に、実刑宣告が5件に止まったことに照らしてみれば、異例的に重い処罰を法院に要請したのだ。
検察は「今回の事故は単純な事故ではなく、企業が利潤追求に血眼になって、非熟練労働者を不法派遣され、最小限の安全対策や教育もなく、納品日程に合わせるために無理に生産を強行したために発生した人災」で、「23人の大切な生命を失うなど、被害規模の面でも前例を探すのが難しい事件だ」とした。続けて「重大災害処罰法の立法趣旨に合うような企業活動をするように警戒心を高める次元でも、厳罰は避けられない」と検察は付け加えた。
検察は、アリセルが損害賠償額の支給を回避するために、軍納用二次電池の納品日程に合わせようと無理に生産量を増やしたことが事故の原因と見た。アリセルは実際の事故の約一ヶ月前から、未熟練の不法派遣労働者を従来の二倍の水準にまで増やし、一日の生産量も約二倍増やした。不法派遣労働者は、火災時の待避路案内など十分な安全教育を受けられないまま作業に投入された。遺族たちは、避難路だけでも事前に正確に案内されていれば、死亡者の規模を減らすことができたはずだと主張してきた。
検察は特にパク・スングァン代表に対して、「経営責任者でありながら犯行を否認し、刑事責任を免れるために他人に責任を転嫁している」と強調した。パク・スングァン代表がアリセルの実質的な経営責任者は自分ではなく息子のパク・ジュンオン本部長だと主張してきたことに、正面から反論したのだ。
2025年7月23日 ハンギョレ新聞 イ・ジョンハ、ナム・ジヒョン記者