心配になる料理人の呼吸器健康ー肺がん労災認定 2021年4月9日 韓国の労災・安全衛生
ついに料理人の呼吸器疾患の内、肺癌が業務上疾病と認められた。勤労福祉公団は2月23日、学校給食料理員として働いたイ・某さんが肺癌で死亡したのは、作業に関連したものと認めた。彼女は永らくおかずを炒めたり揚げる仕事をしてきて、これが肺癌を起こしたという判定を受けたわけだ。今回の公団の措置は、調理室の環境を注意するようにさせる。イ・某さんが働いた学校料理員は、調理室の排気施設が問題を起こし、数回の修理と補強を要求したという。産災の認定は幸いだが、後の祭りだ。
実際、この間調理室の環境問題は社会的に大きな関心になれなかった。大規模産業現場のように、規模が大きな作業場を中心に、産業安全の問題を解決しようとしたためだ。料理員がほとんど2~10人未満の零細な店で働いていることも影響した。産業安全問題を個別店の主人に任せる程度だったと言おうか。小さな食堂などを開く時、排気施設が充分なのかについて几帳面に点検するのを見たことがない。排気施設を設置する時、主人が誠意を持って金を使うべきで、施工業者の技術が良いことに運を任せる問題だったのだ。更に、零細な食堂があまりにも多くて、排気施設を稼動すれば、冷暖房費がたくさん掛かるし、できるだけ止めて仕事をするケースも当たり前だ。標準的な排気施設基準も聞いたことがない。店の大きさと料理の種類(いわゆるcooking fumes、すなわち料理の煙霧)を全て考慮した基準を現場はよく知らない。料理人の間では、肉屋が一番呼吸器に安全な職場という笑えない冗談がある。お客さんが煙と臭いに敏感なので、主人と施設業者が排気施設をキチンと整備するという話だ。考えてみなさい。この頃、肉屋では、テーブル毎に喚起のバルブが設置されているではないか。
実際、食堂のインテリアや装備はあきれる程に良くなっている。しかし吸排気に関してはそれほど発展したという感じを受けることはなかった。排気力が大きければ、騒音と振動が激しく、小さければ充分でなくて調理室が曇る。店が小さくて、ゴタゴタ付いていると排気の構造を組むのに困るので、技術の限界があるかも知れないが。健康の危険地帯に置かれた料理人を対象に、呼吸器検査をするという話も聞いたことがなかった。いつもそうなように、各自に生き残りの道があるだけだ。
私たちが料理人の呼吸器の健康について心配するのは、また他の理由がある。料理の流れが次第にもっと多く焼いて、炒めて、揚げている理由だ。 特に、呼吸器に悪い油の煙がたくさん発生するチキンの店が数万ヶ所に達して、肉屋も食堂業種の中で断然の一等だ。相当数の韓食堂は、豚のサムギョプサルなど煙が多く出る肉のメニューを売っているが、排気施設は壁にかかったファン1、2しかない。前に触れた通り、それさえも消して営業しているケースが如何に多いか。
最近ソウル地下鉄に大型空気清浄器が設置されている。その大きな待合室を浄化するという気合いの入った措置だ。台所施設にもこういった質の良い設備設置を義務化する法律と支援が必要だと考える。
2021年4月9日 京郷新聞
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202104090300025&code=990100
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