全南の給食労働者、二年毎に肺がん検診・・・道議会が初の条例 2023年09月18日 韓国の労災・安全衛生

肺がん確診を受けた学校給食労働者たちが3月14日、給食従事者肺がん検診結果に対する当事者の立場発表記者会見で、学校給食現場の労働環境などを証言している。 ハン・スビン記者

全羅南道地域の各学校の給食室で働く労働者は、今後、二年毎に肺がん検診を受けることになる。給食室の労働者の肺がん検診が義務付けられたのは、全国で全羅南道が初めてだ。

全羅南道議会は「『全羅南道教育庁給食従事者肺がん検診支援条例』が本会議を通過した」と発表した。全羅南道議会のソン・ヒョングォン議員が代表発議したこの条例は、全国で初めて制定された。

条例は、道内の各学校の給食室で働く栄養教師と調理師、栄養士、調理実務師などを対象に、定期的に肺がん検診を支援するようにした。道教育委員長は、給食室労働者の肺がん検診を支援するために、毎年施行計画を樹立しなければならない。

条例によって給食室の労働者は教育庁の支援を受けて、二年毎に周期的に肺がん検診を受けられるようになった。検診の結果、異常所見が発見された労働者には、教育庁が追加の検査も支援できるようにした。

全国の学校給食室の労働者の間では、肺がんが確定診断される事例が続いている。全国17の市・道教育庁の給食従事者の健康診断結果を見ると、検査を受けた4万4548人のうち52人が肺がんと診断された。肺がんが疑われる労働者も379人に達する。

全羅南道では、2190人の労働者が検診を受け、このうち2人が肺がんと診断された。22人の労働者は肺がんが疑われるという所見が出た。全南地域の給食室の労働者の肺がん検診のためには、一年に2億8656万ウォンかかると予想された。

給食室労働者の高い肺がん発病率は、各種の調理過程で発生する微細な『調理ヒューム』に長期間ばく露する勤務環境が主な原因として挙げられている。給食室の安全な労働環境のためには換気設備などが重要だが、昨年、各市・道教育庁の点検の結果、学校全体の94%が換気施設設備の基準に達していないことが分かった。

ソン・ヒョングォン議員は「子供たちに質の高い給食を提供するためには、給食室の労働者の安全な作業環境の造成が先行されるべきだ」とし、「肺がん検診の支援によって、労働者の健康権が確保されるものと期待する」と話した。

2023年9月18日 京郷新聞 カン・ヒョンソク記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202309181547001