『影の労働』の末に名を得た『学校給食従事者』/韓国の労災・安全衛生2026年01月28日

▲ 学校非正規職連帯会議

学校給食労働者一人当たりの適正な食人数配置と安全基準の整備等を盛り込んだ「学校給食法」改正案が、29日に国会本会議を通過した。当日、本会議場の傍聴席に学校給食労働者が調理服を着て傍聴し、改正案の可決を見守った。

今回可決された改正案は、調理師と調理実務者を『学校給食従事者』と明記し、政府と地方自治体が、彼らの健康と安全に必要な施策を整備することを求める。教育部長官は、学校給食従事者一人当たりの適正な食人数基準を策定するための研究と調査を実施し、大統領令で基準を定める。教育長がこれを基に学校毎の配置基準を策定する内容も含まれている。一定規模以上の学校に栄養教諭を二名以上置くことも含まれている。学校給食現場の要望が反映された。

改正案の通過に尽力してきた「共に民主党」のコ・ミンジョン議員は、この日の採決に先立ち「十数年間、名もなく影の労働をしてきた6万人に『学校給食従事者』という法的名称を与えた法律」で、「学校給食室で働くすべての労働者の労働条件を改善する内容が含まれている」と述べた。更に「国家が彼らの存在を認めるまでに、多くの人が肺がんでこの世を去らざるを得なかった」「遅くなったが、この法律を故人の霊前に捧げる」と話した。

改正案が可決されると、給食労働者たちは目を潤ませながら歓声を上げた。全南・光州で24年間調理実務者として働いていたパク・ジユン(65)さんは、最近肺癌3期と診断され治療中で、この日<毎日労働ニュース>とのインタビューで、「嬉しくて涙がいっぱい出た」「痛くなく働ける給食室になって欲しい」と話した。

20年目の料理人、パク・ファジャ(55)さんは「同僚たちが働いている最中に肺癌で亡くなっても、存在すら認められず、傷が大きかったが、今は影にいる必要がなくて嬉しい」と話し、「今すぐ何が変わるかは解らないが、現場の労働者たちと共に作り上げていければいいと思う」と語った。

当日、学校非正規職員連帯会議は国会本館前で改正歓迎記者会見を行い、「学校給食の公共性を一段階高める今回の改正案の可決を、熱烈に歓迎する」との所感を述べた。

給食労働者は高温多湿の調理環境で、有害物質に曝されながら、高強度の労働を行っている。しかし、法律では労働環境の改善や健康保障に関する規定が不十分で、労働者の身分や地位が不明確だった。その間、給食労働者の肺がん労災は約175件が認められ、そのうち15人が亡くなった。産業災害率は3.7%で、全労働者の平均(0.67%)の5.5倍に達している。

人手不足も深刻だ。給食労働者一人当たりの平均食人数は、他の公共機関(60~80人)よりも1.5倍多い。各学校に栄養教諭が一名しか配置されておらず、業務負担が極めて高いという問題も提起された。

2026年1月29日 毎日労働ニュース イ・スヨン記者 

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