建設アスベスト被害が5割占める-2006~2019年度労災保険・労災時効救済・環境省救済被認定者累計29,520人のうち13,629人(46.2%)が建設業

建設アスベスト訴訟が進展するにつれて、アスベスト被害者のうち建設業従事者の占める割合について聞かれることが増えたため、整理してみました。

厚生労働省は毎年、「石綿による疾病による労災保険給付・労災時効救済(石綿健康被害救済法による特別遺族給付金)の請求・決定状況」を公表しており、これには業種別支給決定内訳に関する情報が含まれている。表1は、2006~2019年度累計の業種別支給決定件数の状況である(2019年度分は速報値)。

他方、環境再生保全機構は環境省所管石綿健康被害救済制度について毎年、「統計資料」及び「被認定者に関するばく露状況調査報告書」を公表している。後者は、アンケート調査で申請または死亡前の10年以前に所属した事業所(企業)を聞き、産業分類別に集計している。最新の情報では、2006~2018年度の他法令でも認定されたものを除いた累計被認定者11,461人のうち、回答者数8,455人、回答数15,962(1人当たり1.9回答)で、表2のような状況であった。厚生労働省の業種別統計とは異なり、こちらは当該産業における石綿ばく露が原因として認定されたことを意味するものではないが、建設業に従事した経験があった場合にはそこでの石綿ばく露が原因で石綿関連疾患に罹患した蓋然性は高いと考えられる。そこで、表2の、回答者8,455人における建設業従事経験者3,409人の割合40.3%を、最新の「統計資料」による2006~2019年度の累計被認定者数12,312人に適用すると、4,962人が建設業従事経験者という数字が得られる。

以上から、2006~2019年度の労災保険・労災時効救済・環境省所管救済の被認定者累計29,520人のうち13,629人(46.2%)が建設業従事経験者であったと推計される(表3)。

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