原子力安全委員会、サムソン電子の「放射線被ばく」は安全管理不良と結論/韓国の労災・安全衛生2024年09月24日

サムソン電子器興工場で作業中に放射線に被爆した労働者の手(左)。/全国サムソン電子労働組合のホームページ。サムソン半導体器興工場(右)。/ハンギョレ21・リュ・ウジョン記者。

5月にサムソン電子器興事業場で労働者二人が放射線に被爆した事故は、サムソン電子の放射線安全管理不良のためであることが、原子力安全委員会(原安委)の調査結果で明らかになった。

原安委は26日、第201回の会議を開き、「サムソン電子器興事業場放射線被爆事件調査結果と措置計画」の報告を受け、再発防止対策などを話し合ったと明らかにした。原安委は安全装置の「インターロック」の配線が変わって、放射線安全管理者の管理と監督が不十分だったことが事故の原因だと結論付けた。これに対するサムソン電子の責任を問い、最大1050万ウォンの過料を課すことにした。

具体的な調査結果によれば、5月27日にサムソン電子器興事業場で、放射線を発生する装置の「エックス線蛍光分析装置」(XRF)を整備していた職員二人が被爆した。被爆者の線量を評価した結果、二人とも問題のない年間0.5シーベルト(㏜)を超過し、その内一人は全身の有効線量の年間50m㏜も超過していたことが確認された。被爆した労働者二人は火傷を負って現在治療中だ。

該当装備には、X線の外部放出を防ぐシャッターが付いているが、シャッターを開けると作動しなければならない安全装置(インターロック)が作動しないように改造されていたと調査された。原安委はシャッターとインターロックの間に隙間ができて、シャッターを閉めてもX線が放出されないための安全装置が、最初から作動しないように配線を変更していたと推定した。インターロック以外にも放射線放出警告灯があったが、警告灯が小さくて労働者が識別できなかったことが把握された。原安委はインターロックの配線ミスの正確な原因については、捜査依頼することにした。

ユ・グッキ原子力安全委員会委員長が26日、第201回原子力安全委員会で、委員たちと案件について話し合っている。/原子力安全委員会提供

作業過程の管理でも問題があったと調査された。装備を点検する時、放射線安全管理者の作業検討と承認手続きが必要なのに履行されず、装備販売者が提供した機器管理方法や取り扱い禁止事項なども、作業過程で利用されていなかったことが判った。

被爆労働者のイ・ヨンギュさんはハンギョレに「会社が費用を節約しようとして、装備の修理を販売業者ではなく、私たちにさせてきた。」「このように少ない過怠金なら、会社が費用をかけてまで、安全管理を改善しようとするだろうか」と話した。

サムソン電子の安全管理の不良が確認されたことによって、雇用労働部の産業安全保健法などの違反の有無の調査も本格化するものとみられる。産業安全保健法は、放射線による労働者の健康障害予防と機械・機構による危険予防のために、事業主に措置義務を賦課し、これを遵守しない場合には処罰する。

重大災害処罰法が適用されるかもカギだ。重大災害処罰法は、六ヶ月以上の治療が必要な負傷者が二人以上、職業性疾病者が一年以内に三人以上発生すれば「重大労災」と見て、事業主と経営責任者を処罰する。事故が発生して六ヶ月にはなっていないが、サムソン電子は、該当の事故によって労働者が被った『火傷』は、『負傷』ではなく『疾病』だと主張している。疾病と判断されれば、重大災害処罰法が適用されないからだ。事故発生から四ヶ月が過ぎたが、労働部は判断を出していない。労働部の関係者は「負傷・疾病については未だ検討段階」で、「産安法違反の有無に関する調査は進行中」とした。

サムソン電子の関係者は「放射線ばく露を認知した直後に、問題の設備を直ちに整備し、同種の設備は早期に全て交替する計画」で、「安全管理システムも大幅に強化し、放射線管理により一層万全を期す」と明らかにした。

2024年9月24日 ハンギョレ新聞 パク・ギヨン、パク・テウ、キム・ヘジョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1159940.html