サムソンの下請け業者、白血病に罹った労働者の解雇を謝罪/韓国の労災・安全衛生2024年08月11日

パノリムなど市民団体の活動家たちが4月17日、サムソン電子の下請け業者のKMテックで二年間、サムソンスマートフォンの部品組立業務をしていた労働者に急性骨髄性白血病が発病したことに、サムソンの責任を追及する記者会見を行っている。/クォン・ドヒョン記者

サムソン電子の一次下請け業者が、急性骨髄性白血病が発病した労働者に対して行った不当解雇と、労災処理の非協力などに謝罪した。業者は労働者の復職と治療支援と共に、労災処理への協力、作業環境の改善などを約束した。

「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)は、サムソンスマートフォンを作っていて白血病が発病したイ・スンファン氏(21)に対する、一次下請け業者「KMテック」の意見文書を公開した。KMテックは「会社は、イ・スンファン氏の白血病に対して、労災申請に必要な資料を円満に提供できなかったことを謝罪いたします。」「会社は労災申請の結果に関係なく、治療支援金を支援いたします」とした。それと同時に「解雇に対しても、もう一度謝罪いたします。」「イ・スンファン氏の解雇を撤回し、2月1日付で復職措置をしました。復職と同時に傷病休職として処理し、2025年12月31日まで雇用状態を維持します」とした。

イ・スンファン氏は2021年10月、特性化高校三年生の時に、亀尾市のKMテックで現場実習生として三ヶ月間働いた。翌年1月からは、ヨンジン専門大学の高熟練仕事・学習並行制(P-TECH)によって、KMテックと正式に勤労契約書を作って、仕事を続けた。イ・スンファン氏は、はんだ付けの後に廻ってきたスマートフォンの基板上に、プラスチック部品を、手作業で一日に2000個ずつ組み立てた。

イ・スンファン氏は昨年9月に、急性骨髄性白血病の診断を受けた。今年3月には造血幹細胞移植手術を受けた。KMテックは、1月にイ・スンファン氏に四ヶ月の無給休職をさせた後、勤労関係を終了させ、四大保険を解約した。ヨンジン専門大学も「個人の理由による休学は、最大延長期間は三ヶ月」として、強制自主退学の措置をした。イ・スンファン氏の代理人のパノリムは、4月に勤労福祉公団に労災保険療養給付を申請した。パノリムは「260度を越える高温硬化の過程とオーブンなどの高温作業の過程で、発ガン物質にばく露することがあり、これを防止するための局所排気や全体換気システムが十分ではなかった」と主張した。

KMテックは「今後も会社は、労災または労災申請事件が発生した場合、該当の社員に労災証明に必要な事項の中で、会社が可能な範囲内で最大限協力する。」「現場の作業環境改善のための措置として、吸排気装置、局所排気装置、浄化施設などの点検、改善などは、専門家の意見を反映して関連施設を補完し、適切な保護具の支給など、安全保健措置を今より更に強化する」と話した。

イ・スンファン氏の父親は「息子の白血病発病後、会社は無給休職一ヶ月延長以外にはできることがないと言った。被害者という表現も使わせず、白血病は両親の責任だとして不当解雇まで強行し、本当に惨憺たる気持ちだった。」「大変な闘いと協議によって経営陣を少しずつ変化させ、今回の意見文によって再発防止の意志を確認したという点で、大きなやり甲斐と成果があった。助けてくださった皆さんの声援を土台に、イ・スンファンの健康回復のために最善の努力を尽くす」と話した。

2024年8月11日 京郷新聞 パク・チェヨン 記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202408111611001