気象庁の発表より遙かに熱い建設現場・・・休息は気象庁次第/韓国の労災・安全衛生2024年06月19日

民主労総建設労組の組合員たちが、猛暑特報が出された19日、国会前で建設現場の便宜施設の実態と猛暑指針の法制化を求める記者会見を行っている。/チョ・テヒョン記者

政府が事業場の熱中症の予防措置施行基準を『大気温度』から『体感温度』に変更したが、野外で働く建設労働者は、実際の気象庁の体感温度より6度以上高い気温で働いていることが判った。建設労働者たちは猛暑対応指針以上の『猛暑法』を求めた。

民主労総・建設労組は19日に国会前で記者会見を行い、昨年の7月11日から8月7日まで、31ヶ所の建設現場で222件の体感温度を直接測定した結果、気象庁が発表する体感温度より平均6.2度高かったと話した。10度以上の差が出るケースも34件だった。

雇用労働部が5月に発表した「猛暑に備えた労働者の健康保護対策」で、事業主に熱中症の予防措置の施行を勧告する基準を、今までの『大気温度』から湿度などを反映した『体感温度』に変更した。体感温度が31度以上の時から、水・陰・休息を提供し、33度を越えれば、午後の屋外作業を短縮するなどの措置を盛り込んだ。

室内で働く労働者は、事業場の温・湿度計によって現場の体感温度を正確に知ることができる。しかし、建設業など、屋外で働く労働者は、気象庁が発表する体感温度に依存しなければならない。屋外作業の特性上、現場の体感温度が気象庁の体感温度と異なる可能性があるという指摘が続いてきた。

建設労組の組合員たちが、猛暑特報が出された19日、国会前で建設現場の便宜施設の実態と猛暑指針の法制化を求める記者会見を行い、象徴行事として氷が入った安全帽をかぶっている。/チョ・テヒョン記者

建設労組は「建設現場が熱い理由は、太陽を覆う屋根がなく、熱を吸収する鉄でできた資材が多いため」で、「特に、太陽で熱くなった鉄筋は手袋を嵌めて触っても熱く、コンクリートは固まりながら水和熱を発生させるが、最低から最高温度まで20度以上の差がある」と話した。

便宜施設も足りない。建設労組は昨年7月、公共機関が発注した14ヶ所の現場に実態調査を行った結果、休憩室はすべて設置されているが、4ヶ所には冷房装置がなく、最高層と休憩室までの平均往復時間は10分も掛かったと話した。シャワー室のない現場は5ヵ所、更衣室のない現場も7ヵ所と集計された。

建設労組は「速度戦に追い込まれ、早く仕事を終えなければ利潤が挙がらない構造で、建設会社は勧告のレベルの労働部の猛暑指針を履行しようとしない」「労働部の猛暑指針は猛暑期の労働者の命とも直結しているだけに、法制化が当然だ。国会が(猛暑指針を法制化する)『猛暑法』の制定に取り組むべきだ」と話した。

2024年6月19日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202406191618001