委託生産に再々下請・・現代製鉄礼山工場の死亡事故の責任、重大災害処罰法の適用は 2022年3月8日 韓国の労災・安全衛生

現代製鉄の社員たちが自動車用ホットスタンピング製品について研究している様子/現代製鉄提供

今月5日に現代製鉄の礼山工場で作業中の労働者が死亡した事故を、雇用労働部が捜査している。複雑な運営構造によって、重大な産業災害の責任の所在を明らかにすることが捜査の争点になる見通しだ。

<ハンギョレ>の取材を総合すると、現代製鉄の礼山工場で1トンの金型設備を修理して組み立てる過程で設備が落下し、作業中だった20代の労働者一人が死亡した。現代製鉄は事故が起きた金型設備をはじめとする現代製鉄礼山工場のすべての設備を保有しながら、工場の運営はシモン開発に委託している。シモン開発はグループの系列会社であるMSTに設備の整備業務を委託し、MSTは事故が起きた作業を、別の下請け会社のA社に任せていた。結局、現代製鉄が委託生産を任せたシモン開発の再々下請会社の労働者が、現代製鉄所有の設備を修理していて事故に遭ったということだ。

重大災害処罰法は、事業場を『実質的に支配・運営・管理』する事業主の経営責任者に、従事員の安全保健確保の義務を課している。したがって、該当事業場を支配・運営・管理する主体が現代製鉄なのか、シモン開発なのか、それらが有害・危険要因を放置して事故が起きたのか、を明らかにすることが捜査の争点になるとみられる。

大検察庁の『重大災害処罰法罰則解説書』は、『実質的な支配・運営・管理』の有無を判断するには、従事者の有害・危険要因を除去・統制できる権限の有無、従事者の指示権が及ぶ派遣かどうか、施設・設備の所有権の有無などを考慮すべきだという基準を示している。

現代製鉄は「(契約書で)委託工場の建物と土地、設備とすべての関連施設の維持管理は受託者(シモン開発)が行うことになっている」とし、安全管理責任もシモン開発にあるという態度である。しかし、現代製鉄の職員40人余りが礼山工場に常駐し、生産・運営・設備技術の業務を担当しており、シモン開発と一緒に礼山工場の「安全保健協議体」も運営していることが分かった。労働部がこれを基にして現代製鉄を重大災害法違反で立件した場合、今月2日に唐津製鉄所でのメッキ工程の死亡事故に続いて、二度目の重大災害法による立件となる。

労働部の関係者は<ハンギョレ>に対し、「現代製鉄・シモン開発の契約関係と工程の運営方式などを検討し、産業安全保健法と重大災害法に違反しているかどうかを確認する」と話した。

2022年3月8日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者、シン・ダウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1033942.html