SPC工場を訪問した李在明「低賃金・長時間労働が事故根本原因」/韓国の労災・安全衛生2025年7月25日

李在明大統領が25日、京畿道始興のSPCサムリプ始華工場を訪問し、「同じ現場で、同じやり方で、同じ事故が繰り返されるのは、問題がある」としてSPCグループ経営陣を叱責した。
「同じ現場で同じ事故を繰り返す問題」
大統領はこの日開かれた重大労災発生事業場現場懇談会で、「依然として労働現場で死んでいく労働者がとても多い。落ちて死んで、下敷きになって死んで、挟まって死んで、このような労災がやむを得ず、本当に偶発的に、断続的に、予測できない状態で、やむを得ず発生する、と言えば理解できる。」「ところが、同じ現場で、同じやり方で、同じ事故が繰り返されるのは、事実問題がある」と指摘した。大統領は、「推測できる原因の一つは、予防のための費用と事故が起きた時の代価がバランスが取れていないため。」で、「個別事件ごとに原因を分析しなければならないが、お金のため、または費用のために安全と生命を犠牲にするのであれば、それは本当に変えなければならない」と強調した。
この日の懇談会には、ホ・ヨンインSPCグループ会長、キム・ボムスSPCサムリプ代表理事、キム・ジヒョンSPCコンプライアンス委員長、キム・ヒソンSPCサムリプ安全保健総括責任者を含め、現場労働者とSPCサムリプ労組の関係者が参加した。 CJフードビル、クラウンジェといった他の食品メーカーの工場長も同席した。政府と大統領室からは、キム・ヨンフン雇用労働部長官、キム・ヨンボム政策室長、ムン・ジニョン社会首席などが同席した。
先立って大統領は22日、国務会議で「労働災害死亡現場を早急な時間内に訪問し、現況と対応策を講じるようにする」と明らかにした。大統領は国務会議と首席補佐官会議で、数回にわたり重大災害の根絶と労災予防の必要性を強調してきた。
李在明大統領、事故時刻から労働条件まで詳しく質問
大統領は懇談会で、SPC死亡事故の発生時刻、災害者勤務体系と労働時間など、労働条件について質問した。具体的に目撃者がいたのか、交代勤務と休憩時間はどのように回っているのか、休憩時間の間に設備は中断されるのか、などの質問によって死亡事故当時の具体的な経緯を確認した。
特に、大統領は三組二交代に言及し「労働強度が余りにも高くて、夜には眠くなりそうだ」と話し、先の二回の挟まれ事故が明け方に発生したことについても「一週間に四日を夕方7時から翌朝7時まで、フルで12時間ずつ人が仕事をするということが、可能なのかが疑問」と話した。それと共に「なぜ12時間ずつで交代させるのか、8時間ずつ仕事をさせれば、費用が少ないのに。推測するには、賃金総額が余りにも低くて、8時間ずつ仕事をさせれば、仕事をする人がいないのではないか」と疑問を表わした。
大統領は「結果的に労働者の不注意のせいだと考えることもできるが、注意を傾けることもできない状況が生じたこと自体が問題である。」「業種の特殊性のためかもしれないが、深夜長時間労働のために生じたものと見られる」と批判した。続けて「お金より生命を大切にし、安全のためには費用も十分に甘受する、そのような社会になることを願う。」「労働部は、今後、格別に普段から備えなければならない安全設備と安全システムが、きちんと作動しているかを日常的に管理して欲しい」と頼んだ。
大統領が訪問したSPC三立始華工場では5月19日午前3時頃、50代の労働者がベルトコンベヤー挟まれる事故で亡くなった。SPCグループ系列会社で三番目の重大災害で、安全保健管理体系がまともに作動していないという批判が提起されてきた。2022年10月、京畿道平沢のSPL製パン工場で、20代の労働者がソース撹拌機の挟み込み事故で死亡し、二年経った8月には、城南のシャニー製パン工場で、50代の労働者が生地機械の挟まれ事故で亡くなった。
2025年7月25日 毎日労働ニュース イ・コウン記者
https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=229324