重大災害法施行三年、『事業主実刑』は僅か・・/韓国の労災・安全衛生2025年1月22日
重大災害処罰法の施行3年間に宣告された35件の判決の内、事業主が実刑を受けたケースは5件に止まったことが判った。実刑の判決も法定の下限に近付いた。起訴事件基準で101人が重大災害で命を失ったが、余りにも『手緩い処罰』ではないかという指摘が出ている。
毎日労働ニュースのホン・ジュンピョ記者は22日、民主労総・重大災害監視センターなどの主催で行われた『重大災害法施行三年、何が法を止めるのか』討論会で、発題者としてこのような分析結果を発表した。
重大災害法が施行された2022年1月27日からこの日までに宣告された事件、35件中33件(94.3%)で事業主が有罪判決を受けた。しかし、刑は比較的軽かった。事業主の実刑判決は5件(14.3%)だけだった。エムテックとサムガンS&C、バロン建設の事件で懲役2年が宣告された。シンソン産業事件は懲役1年6ヶ月が、韓国製鋼事件は懲役1年が宣告された。重大災害法の懲役刑の下限線である「懲役1年」にほとんどが近付いた。
懲役刑の執行猶予が26件(74.2%)で最も多かった。「懲役1年に執行猶予2年」が12件(34.3%)、「懲役1年6ヵ月に執行猶予3年」と「懲役8ヵ月に執行猶予2年」がそれぞれ3件(8.6%)で続いた。事業主の罰金刑は2件(5.8%)だった。
35件のうち34件で法人にも罰金刑が言い渡されたが、31ヵ所(88.5%)が1億ウォン以下だった。重大災害法上、法人の罰金刑の上限である50億ウォンに遙かに及ばなかった。サムガンS&C法人が20億ウォンで最高額を記録した。
ホン・ジュンピョ記者は「元請けの経営責任者に対する宣告刑量と量刑理由を見ると、法がきちんと作動しているのかを問わざるを得ない」とし、「重大災害法の実効性を高める方案について、頭を突き合わせなければならない」と話した。
重大災害法が現場の安全保健管理体系の改善に役立っているという調査結果も出た。ソウル大学社会学科のパク・ヒョナ博士課程研究員は6つの産業(製造、公共、化学繊維、サービス、保健、建設)の労使安全保健担当者365人(労側160人、使側205人)を対象に調査した結果、労側担当者の43.7%が「重大災害法が安全保健管理体系の改善に寄与する」と答え、「寄与しない」(12.5%)よりも高かった。会社側の担当者の44.4%も肯定的な回答を示し、否定的な回答(16.6%)を上回った。
パク・ヒョナ研究員は「経営陣が安全をより一層重視し、現場の参加頻度が増え、経営陣の変化は重大災害法の効果の主要な肯定的な指標」とし、「法が効果を発揮するためには、労働者と労組の参加が必須だが、現在は主に事業体の役割と責任に焦点が合わされている」と話した。
2025年1月22日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者