韓水原・発電五社、5年間で5人が死亡し523人が負傷した・・・死亡者は全べて下請け労働者/韓国の労災・安全衛生2025年9月10日

「泰安火力発電キム・チュンヒョン非正規職労働者死亡事故対策委員会」所属の労働者と遺族が、6月3日、泰安郡の韓国西部発電本社の前で、真相究明を要求し、考えを発表する記者会見をしている。 ソ・ソンイル先任記者

韓国水力原子力(韓水原)と五つの発電会社で、最近5年間に発生した労災死傷者の85%が下請け労働者であることが判った。この内、死亡者は5人で、全て下請け業者所属の労働者であった。

10日、国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会所属のホ・ジョンシク議員室(共に民主党)に、韓水原と南東・南部・東西・西部・中部発電から提出された資料によれば、2021年から今年7月までの労災発生件数は517件、死傷者は528人だった。

この内、韓水原で発生した事故が337件(死傷者339人)で最も多かった。南東発電は50件(50人)、西部発電36件(36人)、東西発電34件(35人)、中部発電32件(35人)、南部発電は28件(28人)だった。

雇用形態別に見れば、死傷者の85%に当たる443人は、下請け労働者であった。死傷者の中で下請け労働者が占める比率は、東西発電が94%で最も高く、続いて南部発電(89%)、韓水原(85%)、中部発電(82%)、南東発電(82%)、西部発電(74%)の順だった。

死者は計5人で、韓水原と東西・西部発電でそれぞれ1人ずつの3人、中部発電で2人が死亡した。今年の死者は2人だ。キム・チュンヒョンさん(50)が今年6月に西部発電泰安火力発電所内の韓電KPS泰安火力事業所の機械工作室で機械に挟まれて死亡し、Aさん(32)が今年7月、東西発電東海火力発電所の工事現場で8メートル落下して死亡した。

この5年間で517件の事故が発生したにも拘わらず、関連者の懲戒処分は8件だった。特に、韓水原では最も多い労災事故(337件)が発生し、死亡事故も1件発生したが、懲戒件数は「0件」だった。 西部発電が3件で、懲戒件数が最も多かったが、3件とも『会社の体面または信用損傷』が懲戒理由であり、『安全管理の不十分』等を懲戒理由とした他の発電会社との違いを明らかにした。

発電五社の労災予防に関する予・決算内容を見れば、来年度の予算案は今年より2.3%増加した3兆3036億ウォンに策定された。但し、来年度の予算増加幅は、今年の予算増加幅の17.6%より15.3%ポイント減少した。

ホ・ジョンシク議員は、「事故を企業の体面の問題として片付ける発電会社の低い『安全不感症』では、労働災害を防ぐことはできない。」「生命の前では元・下請けの区分はないので、実質的で、責任のある実行によって『危険の外注化』を必ず断ち切らなければならない」と話した。

2025年9月10日 京郷新聞 オ・ドンウク記者

https://www.khan.co.kr/article/202509101342011