給食労働者労災特別法を発議、単一職種で初の労災予防法 2023年06月13日 韓国の労災・安全衛生

公共運輸労組教育公務職本部と「共に民主党」のカン・ドック議員は12日、給食労働者の労災予防を内容とする法案の発議を発表した。/公共運輸労組教育公務職本部

2030年までに教育部長官と教育委員長が、給食労働者の労災予防計画を樹立し、管理するとした特別法が発議された。単一職種の労災を予防するために発議された法案は今回が初めてで、給食労働者の肺がん労災の深刻性を表している。

公共運輸労組教育公務職本部と「共に民主党」カン・ドック議員は12日、国会・疎通館で記者会見を行い、「学校給食従事者の調理時の有害物質による労災予防に関する法律案」の発議を知らせた。カン・ドック議員は9日、74人の野党の国会議員と共同で法案を発議した。

3月14日、教育部が初めて「学校給食室調理環境改善方案」を発表した。2021年2月に初めて給食労働者の肺がんが労災として認められた後、満二年目に出された対策だ。教育部の方案には、調理室の換気設備を改善するために、学校一校当り1億ウォンずつの予算を支援することなどが含まれた。しかし労働界は、根本的な対策が足りないと批判してきた。ソウル・京畿・忠清北道地域に対する検診の結果は発表もされていないだけでなく、換気施設に対する政府レベルの全国共通の基準などもないと指摘された。

今回の法案は、教育部長官と教育委員長が、労災予防計画を、体系的で長期的な観点で樹立するようにした。教育部長官は7年を計画期間とする給食労働者労災予防のための目標を設定する計画を樹立しなければならない。長官は年度別に労働条件改善目標値を設定し、外部から基本計画達成の可否を評価されるようにした。評価団は、労組、職業環境医学専門医、学生と保護者などで構成される。教育委員長も、長官が立てた計画に従って、地域の環境に合った細部計画を立てる義務を負う。法案には、油を使った調理の過程で発生する調理ヒュームなどを「労災発生有害因子」と明確に規定し、ばく露の最小化のための対策を教育部長官が用意するという内容も盛り込まれた。

イ・ユンヒ本部長は、「今でも、現場では死を迎える給食労働者が一人ひとり増えている。」「この法案を契機に、教育部が誠実に解決に乗り出し、労組と話し合うことを願う」と話した。

法案発議に参加した国会・教育委員会のカン・ミンジョン共に民主党議員は、「教育部が発表した対策は中・短期対策にも及ばず、当事者の意見を収斂する窓口は公式的に用意されてもいない。」「K-給食と呼ばれた学校給食の地位が墜落している」と批判した。

2023年6月13日 毎日労働ニュース チョン・ソヒ記者

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