労災事故で一日2人の割で命を失った 2022年5月6日 韓国の労災・安全衛生

今年第1四半期の労災事故死亡者は157人と集計された。3ヶ月間で一日平均2人の労働者が命を失ったわけだ。昨年より労災事故死亡者は8人(4.8%)減った。「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)の施行後、適用対象の50人(工事金額50億ウォン)以上の事業場に絞れば、事故死亡者は昨年より13.5%(7人)減少し、法施行の効果が反映されているものと見られる。しかし、全労災死亡者の10人に6人は、重大災害処罰法が適用されない死角地帯で発生した。

労働部、「災害調査対象死亡事故統計」を初めて公表
発生日基準で集計し労災死亡事故より規模が小さく

雇用労働部は災害発生日を基準とする「災害調査対象死亡事故現況」を公開した。これまでの政府の公式労災統計は、勤労福祉公団が業務上災害として認めた死亡事故を基準に集計したため、災害発生日と労災承認日(遺族補償日)の間の時差が、普通4ヶ月、長くて1~2年程度発生した。

こうした問題を改善するため、労働部は先月統計庁の承認を経て「災害調査対象死亡事故」統計を今回初めて公表した。該当の統計は、産業安全保健法の適用事業場で発生した労災の中で、個人の持病や放火といった、事業主の法違反が明らかに存在しない事例を除いた業務上死亡事故をいう。労災承認(遺族補償)の可否を集計基準とする労災死亡事故統計は、事業主の法違反の有無は考慮しないので、死亡者の規模の違いもある。昨年の場合、公式統計上は「労災死亡事故者」は828人だが、労働部の非公式「災害調査対象死亡事故者」は673人で、155人少なかった。

建設業で在来型事故による死亡者が減少
事故死亡者の56%は50人未満の事業場

今年の第1四半期の災害調査対象死亡事故は、重大災害処罰法の施行後は減少傾向に転じた。1月の事故死亡者は54人で、昨年1月より4人増加したが、2月は44人(4人減少)、3月は59人(8人減少)に減少した。特に建設業で事故死亡者が昨年より7人減り、事故死亡者に建設業が占める割合も1.8%減少した。重大災害処罰法の施行初期、労働部の集中点検と合わせて、法施行に備えて工事を一時中断した影響と見られる。

昨年、全体労災死亡事故の64.3%を占めていた、基本的な安全措置をするだけで予防可能な在来型の事故の割合は49.1%で、15.2%減少した。反面、楊州市のサムピョ産業の採石場の生き埋め事故と光州の現代産業開発のアパート崩壊事故など、崩壊(14人)事故と火災・爆発(11人)など、有害・危険要因が複合的に作用して発生した死亡事故は、前年比8.4%増えて15.9%を占めた。

重大災害処罰法の施行以後、微々たる水準だが死亡事故が減少傾向に転じたことは注目に値する。重大災害処罰法の適用対象である50人(工事金額50億ウォン)以上の事業場の死亡事故は、昨年より1人増えた69人だった。但し、重大災害処罰法の施行日(1月27日)を基準に見れば、労災死亡者(45人)が7人(13.5%)減少した。

第1四半期中に重大災害処罰法が適用されない50人(工事金額50億ウォン)未満の事業場で発生した死亡者は、前年比9人減の88人と集計された。依然として全労災死亡者の56%が重大災害処罰法が適用されない事業場で発生している。

4大圏域に重大災害警報発令・・・・5月末まで集中監督

労働部は今年第1四半期の労災死亡事故現況分析を根拠に、大田・忠清と光州・全羅地域に重大災害危険警報を発令した。また、釜山・蔚山・慶南と大邱・慶北には重大災害注意報を出した。死亡事故が急増し、さらに増える可能性があるという懸念による措置だ。

労働部によると、第1四半期の大田・忠清地域の事故死亡者は30人で、昨年同期より11人(57.9%)増えた。光州・全羅地域でも、昨年第1四半期比で8人(53.3%)増の23人が死亡した。重大災害注意報を出した大邱・慶北の今年第1四半期の全事故死亡者は17人で、前年対比1人増、釜山・蔚山・慶南地域の事故死亡者は27人で、1人減に止まった。これらの地域は50人以上の製造業を中心に、最近死亡事故が増加傾向に転じている。

これらの死亡事故の特徴を見ると、大多数の死亡事故(86.2%)は重大災害の発生する危険が高いと判断し、1月に特別管理対象に通知した「超高危険」または「高危険」企業に所属する事業場で発生した。労働部はこれら4つの圏域にある1万1千余りの事業場を特別管理対象に指定した経緯がある。労働部は景気回復の勢いとあいまって、これらの圏域で死亡事故が増加するものと見て、今月9日から31日までを集中監督期間とすることにした。

労働部のキム・ギュソク労災予防監督政策官は「重大災害予防のカギは、経営責任者が専門担当組織等によって、現場で安全保健措置が行われているかを随時点検し、必要な措置をすること」で、「今回の警報発令地域を中心に、経営責任者のこのような義務がきちんと履行されているかを集中的に点検する」と明らかにした。

2022年5月6日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

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