65人死亡、検察に起訴意見で送致はたった1件 2022年5月6日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・ギフン記者

6日に「重大災害処罰等に関する法律(重大災害処罰法)」が施行100日を迎える。法施行以後、59件の重大労働災害が発生して65人の労働者が死亡し、29人が疾病に患っている。しかし、経営責任者が重大災害処罰法違反で立件された事件は27件に過ぎず、わずか1件だけが起訴意見で検察に送致されただけだ。労働者の生命の重さに比べて、依然として経営責任者の処罰は軽かった。

労災死亡事業場の半分以上が重大災害を「繰り返し」

雇用労働部によれば、1月27日に重大災害処罰法が施行された以後に発生した重大労災は、死亡事故が57件で、65人の労働者が犠牲になった。急性中毒のような疾病事故は2件で、29人の労働者が被害に遭った。

業種別では、製造業で25件の死亡事故が発生し、31人が死亡した。疾病事故2件(29人)まで含めると、重大労災全体に製造業が占める割合は45.8%で、最も高い。建設業が22件(37.3%)、その他業種は10件(16.9%)の順だった。

重大災害処罰法が作られるようになった背景は、経営責任者に対する軽い処罰によって労災死亡事故が繰り返されていることを防ぐことだ。しかし、重大災害処罰法の施行以後も、繰り返される労災死亡事故は防がれていないことが明らかになった。

1月27日以後で、最近5年間に重大災害が発生した履歴がある企業で起った重大労災は31件で、重大災害全体の半分以上(52.5%)を占めた。特に建設業の場合、10件中6件の労災死亡事故が、同じ事業場で繰り返されていることが確認された。

経営責任者立件27件、拘束捜査0人
証拠隠滅疑惑、三票産業も拘束令状棄却

このように労災死亡事故が繰り返される理由としては、重大災害処罰法が施行されたにも拘わらず、経営責任者をキチンと処罰していないという点を挙げることができる。

捜査状況を見ると、これまでに発生した59件の重大労災のうち、経営責任者と法人が起訴意見で検察に送致された事件は、急性中毒事故で労働者16人が肝臓損傷などの職業性疾病に罹ったトゥソン産業事件だけだ。

59件の重大労災の内、43件は産業安全保健法違反で安全保健管理責任者などが立件され、27件は重大災害処罰法違反で経営責任者などが立件された。この内、労働部は14件に対して17回の押収捜索を執行した。

経営責任者と安全保健管理責任者に対する拘束は、今まで行われていない。3月14日、釜山地方雇用労働庁がトゥソン産業代表に対して拘束令状を申請したが、裁判所で棄却された。続けて重大災害処罰法適用1号事件であるサムピョ産業の現場所長に対しても、産業安全保健法違反の疑惑で労働部が拘束令状を申請したが、3日に議政府地方裁判所で棄却された。サムピョ産業の代表理事がiPhoneロックの解除を拒否し、証拠隠滅まで指示したという疑惑が提起されたが、令状を棄却した議政府地方裁判所は「押収捜索によって証拠が十分に確保され、証拠隠滅のおそれがなく、対象者の住居が定まっており、逃走の憂慮がなく」、「捜査にも誠実に協力した」とした。

労働部のクォン・ギソプ産業安全保健本部長は「重大災害処罰法が施行されて100日近くなったが、未だに現場では、基本的な安全保健措置義務違反による残念な死が続いている」とし、「経営責任者は、現場で安全保健管理体系が実質的に作動できるように関心を持ち、人材と予算などの支援を拡大すべきだ」と強調した。

2022年5月6日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

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