業務上の疾病の9割が「50歳以上」/韓国の労災・安全衛生2026年08月11日

業務上疾病の労災承認状況(2022~2026.6月)

業務上の疾病に罹った労働者のうち、高齢層の比率が急増している。昨年は10人中6人以上が60代以上で、50歳以上は90%に迫った。高齢者に配慮した作業環境の構築と、カスタマイズされた労災防止策が必要だという要望が出ている。

準高齢者以上の疾病労災2万6千人

勤労福祉公団の資料によると、昨年、業務上の疾病で産業災害として認定された労働者は2万8877人だった。そのうち、60歳以上は1万8998人で、全体の65.8%を占めた。50歳以上にまで範囲を広げると、2万5755人で、89.2%に達した。

業務上の疾病に罹った50歳以上の労働者とその比率は急増する勢いだ。2022年には1万4186人で、全業務上疾病被害者のうちの78.6%を占めていた50歳以上の労働者は、2023年(1万5151人、82.6%)から、2024年(1万8819人、86.2%)にかけて持続的に増加し、昨年には2万人を遙かに超えた。今年の6月現在、50歳以上の労働者1万6160人が業務上の疾病として労災を認められ、既に昨年の62.7%に達している。

増加傾向の緩やかな業務上の事故と比較される。産業災害に遭った50歳以上の労働者は2022年に6万141人で、労災被災労働者全体の55.1%を占め、2023年には6万4390人(55.7%)、2024年には6万5697人(55.8%)に増加した。昨年は6万4525人に減少し、被災労働者全体に占める割合は56.0%と、わずかに増加した。

▲ 50歳以上の労働者が多い学校給食室は、筋骨格系や肺がんなどのリスクにさらされているケースが多い。<資料写真:チョン・ギフン記者>

高齢の就業者が有害・危険要因により多くばく露

人口全体の高齢化と高齢者の就業活動が増加する中で、事故性災害であれ、疾病災害であれ、高齢者の規模と割合の増加は自然な現象でもある。

国家データ処によると、今年5月現在で、高齢層(55〜79歳)の就業者は1012万5千人で、過去最大規模となった。雇用率は59.5%で、昨年5月の雇用率と共に過去最高となった。

全体的に業務上疾病の認定率が高まっている点も影響していると考えられる。韓国労働研究院のパク・ジョンシク研究委員は、「大規模給食施設の労働者に対する肺がん認定を含め、疾病の業務関連性認定が増えることで、高齢労働者の業務上疾病の増加に影響を与えていることが示されている。」「労災事故に比べて業務上の疾病が捕捉され難いという我が国の特性上、高齢者の業務上疾病の増加傾向は今後も続くと見込まれる」と説明した。

高齢労働者の職業の特性上、有害・危険要因により多く曝されることも、主な原因の一つとして挙げられている。韓国労働研究院が2023年に実施した『高齢就業者の勤務環境の現状と改善策に関する研究』によると、55歳以上の労働者は、55歳未満の労働者に比べて、人間工学的に有害な危険環境要因により多くばく露されていることが明らかになった。疲労や痛みを引き起こす姿勢、重量物の移動、立ちっぱなし、手や腕の反復作業がそうだ。

パク・ジョンシク研究委員は「高齢労働者は、単純労務職や製造業、建設業、介護者といった保健・社会サービス業に多く従事しているためだ」と分析した。

したがって、作業現場を高齢者に配慮した環境に整え、カスタマイズされた労災防止策を策定するべきだという注文が出ている。パク・ジョンシク委員は「我が国の作業現場は高齢者を念頭に置いた場所はほとんどないと言える。」「高齢者を多く雇用している事業所は、高齢者の身体能力などを考慮し、高齢者に配慮した作業環境に改善しなければならない」と提案した。

民主党のパク・ヘチョル議員は、「高齢者の就業活動の延長や就業者数の増加に合わせて、政府は高齢者向けの労災予防対策を積極的に整備すべきだ」と訴えた。

2026年8月11日 毎日労働ニュース キム・ハクテ記者

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