サムソン協力会社の労働者が白血病・・・「サムソンも責任を負え」/韓国の労災・安全衛生2024年04月17日

「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)など49団体が17日、サムソン社屋前でサムソン電子の下請け労働者の白血病発病に関して、サムソンの責任を誅求する記者会見を行っている。/クォン・ドヒョン記者

「お母さん、願っていた20歳の成人になったので、友達とやりたいこともたくさんあって、遊び回りたいのに、なぜ多くの人の中から私だけがこんな病気になったのだろうか。他の人のように軍隊にも行きたいし、旅行にも行って、余暇生活も楽しみたかったのに、希望がなくなった。とても痛くて苦しくて毎日泣いたし、良くないこともたくさんの考えた。何もできないと思うと辛いよ。」

サムソン電子の一次下請け業者の労働者のA(21)さんの母親は17日、ソウルのサムソン社屋の前で行われた記者会見で、白血病で闘病中の息子から聞いた話を伝えた。「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)、大学生現場実習対応チーム、全国サムソン電子労働組合など、49団体がサムソン電子の下請け業者の安全保健管理責任を問うために記者会見を行った。

Aさんは特性化高校三年生の時の2021年10月、亀尾にあるサムソン電子の一次下請け業者「KMテック」で仕事を始めた。高等学校推薦現場の実習生として三ヶ月間働き、2022年1月からはヨンジン専門大学の所属で、高熟練仕事・学習並行制(P-TECH)によって仕事を続けた。

Aさんがした業務はスマートフォンを作ることだった。ハンダ付けされた携帯電話の基板の上に、プラスチック部品を一日2000個ずつ手作業で組み立てた。パノリムは「部品組み立ての前に、基板の上についたホコリや異物を除去するために、毎回エアガンを使用したが、その度に、果物の香りと油の匂いがした。」「組み立て後には、携帯電話の裏面を高温で圧着するが、ギャラクシーS21、S22、S23機種は防水フォンで、高温で接着剤が溶けて有害物質が出てくることがある。しかし、排気と換気ができず、作業現場の空気の質は良くなかった」と話した。

骨髄移植手術後、Aさんの体の状態。/パノリム提供

Aさんは仕事を始めて2年後の昨年9月、急性骨髄性白血病と診断された。その後、六ヵ月間、7回の抗ガン治療を受け、先月29日に造血幹細胞移植(骨髄移植)手術を受けた。

KMテックは、Aさんが無給休職をしてから四ヶ月後の1月に契約関係を打ち切り、治療費も支給しなかった。ヨンジン専門大学は、Aさんが2年間の仕事と学習の並行過程を履修できなくなると、自主退学として処理した。Aさんの母親は「限られた空間の中で、指ぬきを一つだけはめた状態で、一日に数千個の部品を繰り返し組み立てる。病気に罹って抗ガン治療を受けているが、会社の関係者は訪問すらしない」と話した。

パノリムなど49団体は、KMテックの元請けであるサムソン電子が、下請け労働者の保護対策を用意すべきだと要求した。サムソン電子は、労働人権、安全保健などに対する行動規範を設け、すべての協力会社にこの規範を遵守することを要求している。これらの団体は「KMテックは行動規範を遵守しなかった。サムソンは今からでも責任を負って解決しなければならない。」「行動規範の通りにKMテックの対応を調査し、白血病被害者の支援をすべきだ」とした。Aさんの代理人のパノリムはこの日、勤労福祉公団に労災保険療養給与申請を行った。

サムソン電子は「(安全保健関連の)協力会社への教育をさらに強化する」としながら、「KMテックの作業環境は、専門機関が毎年測定して労働部に提出するが、問題はなかった」と明らかにした。続けて「特に、当該患者が勤務していた組立工程は、作業環境測定対象物質(化学物質)を使っていないため、関連法上の作業環境測定対象でもないと理解している」と話した。

2024年4月17日 京郷新聞 キム・ジファン 記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202404171311001