午前４時に配送していたクパンの労働者が死亡 2023年10月13日 韓国の労災・安全衛生
60代のクパンの下請けの宅配労働者が、早朝配送をしていて亡くなっているのが発見された。
ハンギョレが13日に京畿道軍浦警察署と民主労総・全国宅配労組などに確認した結果、13日の午前４時44分頃、京畿道軍浦市のマンションの廊下で、クパン・クイックフレックスの労働者のＡさん(60)が倒れているのが発見された。マンション住民の「呼吸をしていない人が門の前に倒れている」という通報で出動した119救急隊員が、Ａさんを近くの病院に移送したが、既に死亡していた。倒れたＡさんの傍には、クパンと書かれた紙箱と保冷パックなど、宅配箱が３個置かれていた。宅配労組によれば、Ａさんのこの日の勤務時間は、夜10時から朝７時までだった。
クパン・クイックフレックスは、クパンの物流配送子会社のクパン・ロジスティクスサービスが、間接雇用方式で運営する配送職だ。クパンは全国各地の域物流業者(代理店)と配送委託契約を結び、この業者は再び１トントラックを保有する特殊雇用職の配送運転手とクイックフレックス契約を結んで配送を委託する、元・下請けの構造だ。
宅配労組はこの日、国会前で緊急記者会見を行い「今回の事件が過労死だと判明すれば、これは予見された惨事だ。」「クレンジング(クパン・シエルエスが示した配送の達成率に達しない場合、委託の下請け業者の配送区域を回収する)制度によって、宅配労働者が(元請けに)まともに抗議できないようにする構造は、長時間労働と過労死を生む要因だ」と主張した。宅配配送の一件当りで手数料を受け取る宅配労働者の立場では、配送区域がなくなるのは解雇に他ならないという意味だ。宅配労組、参与連帯など67市民社会団体で構成された『宅配労働者過労死対策委員会』が今年４月に発表した、『クパンＣＬＳ労働実態調査』によれば、クパン・クイックフレックス労働者の31.4%が、一日平均10時間以上働くと答えた。
宅配労組は、国会の国政監査にクパンＣＬＳの代表を証人として呼んで欲しいと要求し、12日から100時間の徹夜座り込みを行っている。組合は「国会・環境労働委の国土交通委の国政監査に、クパンの代表を証人として呼び、長時間労働のシステムについて糾問すべきだ。」「国土交通部と雇用労働部も直ちに監督を行え」と要求している。環境労働委員会所属の共に民主党のチン・ソンジュン議員は、「クパンＣＬＳが産業安全保健関連法などを十分に守ってきたのか、国政監査で確認し、対策作りを要求する」とした。
今回の死亡事件に関してクパンＣＬＳは「故人はクパンの勤労者ではなく、軍浦市の専門配送業者所属の個人事業者で、警察が現在死亡原因について調査していると理解している」という考え方を表明した。
2023年10月13日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者
