コストコ本社、45日目に「弔意」・・・調査要求には「協議中」のみ 2023年08月04日 韓国の労災・安全衛生

8月2日、光明市のコストコ光明店前で「酷暑期コストコ・カート労働者死亡四十九日追慕集会」が開かれている。/聯合ニュース

猛暑の中、駐車場でカートの整理業務をしていて死亡したコストコの労働者キム・ドンホ(30)さんに対して、コストコ本社が一ヶ月半経って「遺族に弔意を表する」というメールを送った。遺族が要求した真相調査と今後の対策作りの要求に対する答えはなかった。

ハンギョレ新聞の取材の結果、リチャード・チャン・コストコ首席副社長が前日キム・ドンホさんの遺族に、「キム・ドンホ氏の死亡に対して心より弔意を表する」という内容のメールを送った。キム・ドンホさんが亡くなって45日目のことだ。キム・ドンホさんは昼の最高気温が35度に達した6月19日、コストコ河南店でカート管理の業務をしていて死亡した。キム・ドンホさんの死因は「閉塞栓症および温熱による過度な脱水」だった。

遺族は7月2日から5回に亘ってアメリカのコストコ本社に真相究明と対策作りを要求するメールを送った。正確な事故経緯を明らかにする上で、コストコ韓国支社の協力を得ることが難しかったからだ。遺族が本社に送ったメールには、△本社監査チームの徹底した調査、△すべてのコストコ支店の勤務条件の検討、△韓国コストコ会長、河南支店長の責任把握、などを要求する内容が盛り込まれた。

しかし、5通のメールを送って約一ヵ月後に受け取ったコストコ本社からのメッセージは、原論的な内容に止まった。コストコのリチャード・チャン首席副社長はメールで、「当社は韓国支社と緊密な連絡を取っている。」「保険と労災補償などで追加の文書が必要なら引き続き協力し、CCTV映像のプライバシー保護手続きが完了すれば、CCTV映像を提示する」と書いた。

故人の実兄のキム・ドンジュン(31)さんはハンギョレに、「CCTVは紆余曲折の末、既に韓国支社から提供を受けることで合意された部分だが、その事実が把握されていないような、書類とCCTVに関することだけを送ってきた。」「勤務環境に対する調査と今後の対策を立てて欲しいと言ったが、そのような内容は全て無視された」と話した。

一方、韓国産業安全保健公団はこの日、コストコ河南店でキム・ドンホさんの死亡に関して三次の現場調査を行った。現場調査の後、公団が作成した災害調査報告書をベースに、重大災害処罰法違反の有無などを判断する予定だ。遺族は、現場調査が死亡当時の状況をキチンと反映していないという考えだ。キム・ドンジュンさんは「二次調査の時、普段は点けもしていないクーラーを点け、最も暑い区域にも扇風機をつけておいたそうだ。」「事故当時とは違う、冷房が効いている環境で災害調査をすれば、その調査の信頼性を信じられるのかは判らない」と話した。

2023年8月4日 ハンギョレ新聞 チャン・ヒョンウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1103075.html