「建設労働者は水も飲めない」・・・猛暑で現場は沸騰 2023年08月02日 韓国の労災・安全衛生

民主労総建設労組の労働者たちが2日、大統領室前で記者会見を行い、建設労働現場に猛暑対策を要求している。/クォン・ドヒョン記者

「生コンの輻射熱で身体が火照って、ガラスで囲まれた息が詰まる作業場で働く労働者たちが倒れています。それなのに政府は、この労働は高熱作業ではないと言っています。」

体感温度が35度を上回った2日、建設労働者たちが雇用労働部に猛暑作業時の対策作りを追求した。

民主労総・建設労組はこの日、大統領室前で記者会見を行い「野外労働を高熱作業と認定し、労働者に休憩の空間と休息時間を保障すべきだ」と話した。

26年目の鉄筋労働者のチャン・ソクムンさんは「建設現場のどこにも日陰や休める場所がない。猛暑で鉄筋が熱くなっている中で、暑さと死闘を繰り広げなければならない。」「猛暑期には、30度を越えるとブリキの床から熱が上がってくる。その上を鉄筋を担いで移動する。熱いブリキの床と戦うのが鉄筋職」と話した。

続いて「熱中症がマスコミに出るケースはほんの一部に過ぎない。現場では、日射病と熱中症で毎日のように病院に運ばれている。」「政府は野外作業の全てを高熱作業に分類していない。午後2時から5時までは、労働者が作業中止を選べるようにするべきだ」と話した。

建設現場で型枠を造るイ・チャンベさんは「熱中症は数日休んでいれば回復するというものではない。先日も一人倒れたが、家族の顔も判らないと言っている。」「一度熱中症で倒れたら、その後もずっと建設の仕事を続けられるかも判らない。家の生計が危うくなる」と話した。

それと同時に、「政府は日除けテントを設置したと広報しているが、テントは現場から10分程かかるのに、誰がそこまで行って休むか。」「政府が『建設労組叩き』をする間に、猛暑の中で、労働者が何の対策もなく倒れている」と話した。

民主労総建設労組の労働者たちが2日、大統領室前で記者会見を行い、建設労働現場に猛暑対策を要求している。/クォン・ドヒョン記者

建設労組のカン・ハンス労働安全保健委員長は、「建設資本が自分たちの利潤のためだけに、工事期間の短縮だけに没頭している状況」で、「労働者は暑さで倒れそうでも、作業妨害だと言われてクビになるのではないかと心配する。死まで覚悟して働くのは怖い」と話した。

建設労組は先月31日から1日までに実施した「猛暑期の建設現場の実態調査結果」を発表した。アンケート調査には3206人の労働者が参加した。回答者の4人に1人の604人(24.9%)が、休憩スペースなしで働いていることが判った。5人に1人(20.3%、493人)は、作業場で冷たい水を提供されなかったと答えた。猛暑期の作業で、4人に3人は(74%・2372人)がめまいがすると答えた。続いて頭痛(37.9%・1214人)、吐き気(35.2%・1130人)、筋肉痙攣(32.1%・1030人)の順で症状を感じたという。

アンケートの回答者たちは、「猛暑の時は休みながら働けと言うが、工程が忙しいために、一人でも働かないと顔色を見られる。」「本当に目が回るが、同僚たちのために歯を食いしばっている。」「(休憩時間を)建設会社に要求すれば、翌日解雇されたり無視される。だから口には出せない」と答えた。

回答者の81.7%(1981人)は、猛暑でも特別な作業中止もなく働き続けると答えた。昨年の調査の値の58.5%(664人)から大幅に増えた数値だ。雇用労働部は、33度以上になれば時間当り10分、35度以上では時間当り15分の休憩時間を与えるように勧告しているが、現場ではキチンと守られていない。建設労組のチョン・ジェヒ労働安全保健室長は「毎年暑さが激しくなるのに、猛暑対策はむしろ逆に進んでいる」と話した。

民主労総・建設労組の労働者たちが2日、大統領室前で記者会見を行い、建設の労働現場に猛暑対策を要求して、氷水を被るパフォーマンスをしている。/クォン・ドヒョン記者

2023年8月2日 京郷新聞 キム・セフン記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202308021615001