重大災害最多は現代車グループ・・・現代建設など6社で9人死亡 2022年11月16日 韓国の労災・安全衛生
今年1月27日の「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害法)の施行以後、重大災害が最も多く発生した大企業集団は、9人が死亡した現代自動車グループであることが確認された。現代自動車グループでも最も多くの死者が出た現代建設のユン・ヨンジュン代表取締役は、重大災害が発生した企業経営責任者が必ず受けなければならない安全保健教育も受けず、過料も納付していない。
16日、雇用労働部が共に民主党のチン・ソンジュン議員に提出した『重大災害発生現況(1月27日~11月8日)』と「ハンギョレ」の取材を総合すると、公正取引委員会が公示する76大企業集団(グループ)の中で重大災害が最も多く発生したのは、9件の重大災害が発生し、9人が死亡した現代自動車グループだった。所属会社別の状況を見ると、現代建設、現代製鉄、現代P&Gスチールで各2件ずつ発生し、現代自動車、現代エンジニアリング、現代スチール産業で各1件の重大災害が発生した。重大災害法の施行前、現代自動車グループは事業場の安全強化のために870億ウォンを執行することを明らかにするなど、災害予防を強調したが、主要な系列会社で事故が相次いで発生した。
特に、重大災害法施行以前の1月を含めて今年に3件の重大災害が発生した現代建設は、経営責任者が受講しなければならない安全保健教育(インターネットで6時間と集団で6時間)も履修しないまま、7月に労働部が賦課した1千万ウォンの過料も納付していないことが確認された。重大災害法は重大産業災害が発生した法人・機関の経営責任者に、安全保健教育の履修義務を賦課し、履行しなければ過料を賦課するよう規定されている。労働部が現代建設のユン・ヨンジュン代表理事を経営責任者と見て教育を受けるように言ったが、現代建設は「安全保健最高責任者(CSO)が経営責任者だ」と主張し、過料の賦課にも異議を提起している。現代建設の関係者は、「過料を納付しないというのではなく、経営責任者が代表理事に該当するのか、裁判所の判断を受けるため」とした。1~2四半期に重大災害法違反で立件された企業46ヶ社の内、安全保健教育を履修していない企業は、代表理事の健康問題によって参加しなかった金海の製造業者と現代建設だけだ。16日、ユン・ヨンジュン代表は、現代自動車グループ会社6社が、製造・鉄鋼・建設業種の中小企業の安全管理力の強化を支援するという趣旨で出資して設立した、『産業安全共生財団』の出帆式に、発起人代表の資格で参加し、「今日のこの場が、国内の中小企業の安全意識を高め、先進的な安全管理力を確保できる新しい出発点になることを期待する」と話した。
現代自動車グループに続いて重大災害死亡者が多い企業集団は、「汎現代一家」に属する現代百貨店グループだった。9月26日、大田の現代アウトレットで発生した火災事故で、下請け労働者7人が亡くなった。DL(旧・大林)グループが5件(6人)で、SKグループ4件(5人)・中興建設グループ4件(4人)が後に続いた。 資産順位1位のサムソングループは1件(1人)だった。
重大災害法の適用事業場の重大災害件数は186件(死者203人)で、このうち76大グループで発生した事故は51件で62人が死亡した。亡くなった労働者の内、下請け労働者は54人で、87%に達した。全体の死亡者203人の内、下請け労働者の比率が67%であることを勘案すると、76大グループの死亡者の中での下請け労働者の比率が高いということだ。企業側は、「下請け構造が一般的な建設業で死亡事故が頻繁に発生するので、下請け労働者の死亡比率が高い」と説明するが、建設業を除く76大グループの死亡事故の下請け比率も82%に達する。
一方、重大災害186件の内、労働部の捜査によって起訴意見で送致された件数は29件(16%)に止まり、残りは捜査が進行中だ。76大グループで発生した重大災害51件の内、労働部が起訴意見で送致したのは、4月にLGグループの系列会社のハイエムソルテックの労働者墜落事故と、5月のセアグループのセアベスチールで発生したフォークリフトの衝突事故など、2件(4%)に過ぎなかった。
2022年11月16日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者