重大災害法違反、最初の起訴は「集団毒性肝炎」のトゥソン産業 2022年6月27日 韓国の労災・安全衛生
今年1月の重大災害処罰法施行以降に経営責任者が起訴された初めての事例は、昌原のトゥソン産業で発生した『集団毒性肝炎』事件だ。
昌原地方検察庁は27日、エアコン部品メーカーのトゥソン産業の代表者(43)を重大災害処罰法違反の疑い(労災致傷)で在宅起訴したと発表した。
トゥソン産業の職員数は50人以上で、重大災害処罰法の対象に含まれる。
代表者は今年の1・2月に、有害化学物質が入った洗浄剤を使用しながら、最小限の保健措置である局所排気装置を設置せず、労働者16人を毒性肝炎(長期間あるいは短期間の薬物・化学物質などで発生する肝臓損傷)に罹らせた疑惑を受けている。
雇用労働部がトゥソン産業でエアコンの銅パイプを拭く時に使う洗浄剤の成分を検査した結果、成分資料に出ていない有毒物質である「トリクロロメタン」の濃度が基準値の6倍以上検出された。
検察は、トゥソン産業の労働者の集団毒性肝炎は、重大災害処罰法の「同じ有害要因で職業性疾病者が、1年以内に3人以上発生した場合」に該当すると判断した。
検察は、今年の初めに13人の洗浄作業労働者が毒性肝炎と判定された金海市の自動車部品メーカー・テフンR&Tの事業主(65)の重大災害処罰法容疑については、嫌疑なし処分とした。テフンR&Tは、安全保健に関する従事者の意見聴取の手続きなど、安全保健管理体系を備えていることが確認されたためだと説明した。但し、作業場に、性能の低下した局所排気装置を放置した疑いが認められ、産業安全保健法違反などの疑いで在宅起訴した。
検察は同時に、トゥソン産業とテフンR&Tに、有害物質が入った洗浄剤を納品した洗浄剤メーカーのユソンケミカルの代表者(72)は、化学物質管理法違反の疑いなどで拘束起訴した。洗浄剤の成分資料である物質安全保健資料に、有害化学物質が入っている事実を虚偽記載して洗浄剤を納品した疑いが持たれている。
今回の捜査結果に関して、昌原地検の関係者は、「勤労者たちに『職業性疾病』が発生し、法違反の内容が重い経営責任者に対しては拘束令状を請求するなど、法制定の趣旨によって厳正に処理した」、「法が定めた手続きと内容の通りに、安全保健管理体系構築の義務を遵守した事実が確認された経営責任者には、重大災害処罰法違反に対しては不起訴することで、合理的で予測可能な刑事法の執行が行われるようにした」と評価した。
2022年6月27日 民衆の声 チェ・ジヒョン記者