「建設労働より苦しい」学校給食労働者『業務過負荷』/韓国の労災・安全衛生2025年11月3日

▲ サービス連盟は3日、持続可能な学校給食改善方案討論会を開いた。 <サービス連盟>

学校給食室の人員不足のせいで、労働者が感じる身体的な負担と疲労度が建設労働者や物流センターの夜間労働者よりも大きいという調査結果が出た。

教室配膳 107.5人担当

ハン・インイム政策研究所のイ・ウム理事長は、三日に国会議員会館で行われた『持続可能な学校給食改善方案討論会』で、全国学校給食労働者2605人を対象に8月22日から9月5日までに行った実態調査結果を発表した。

調査によると、労働者1人当たりの食数人員は平均92.9人であることが判った。配膳時間帯別では、昼食だけ配膳する場合が95.7人で、昼食・夕食(79.1人)や一日三食(60人)に比べ圧倒的に高かった。食堂ではなく教室に配膳する時は、一人当たりの食数人数が107.5人にまで増えた。一人当り適正食数人員が60~80人である点を考慮すれば、昼食配膳労働者の労働強度が非常に高いと解釈される。

休息権もきちんと保障されていなかった。休憩時間が全くないという回答が41.6%で最も多く、30分(18.9%)、20分程度(16.2%)、30分程度(16.2%)、10分程度(15.8%)の順だった。一時間超は4%に過ぎなかった。休憩空間に横になったり、ゆっくり休むことができるかという質問には「そうではない」が50.8%で「そうだ」(47.8%)より多少高かった。シャワー室は大体設置されていたが、十分かという質問には58.8%が「足りない」と答えた。

労働現場の有害要因としては、騒音(40.2%)が最も高く、洗浄剤など化学物質へのばく露(35.9%)、高熱(35.4%)、危険な機械・器具(32.7%)、食べ物の匂い・蒸気(30.4%)が後に続いた。筋骨格系の負担作業にも長時間さらされていた。手首・肘・肩などを毎分数回以上、2時間以上繰り返し作業するケースが90.8%であり、首を曲げたり、捻ったりした状態で2時間以上作業するケースも75%に達した。

ハン理事長は、△調理従事者の定員基準と食数人員比率通りの人員増員、△一人単独勤務の排除、△筋骨格系への負担作業の緩和、△心拍数・ボーグ点数などを考慮した人員配置、などの改善策を要求した。この他に、労働者たちは改善方案として、保護者からの無理な要求拒否権、人員補充、レシピの過当競争の改善などを要求した。

心血管系の過負荷の可能性が高い・・・「実質的な制度改編が急がれる」

チョン・ジユン職業環境医学科専門医は「ヴォーグ指数」によって学校給食労働者の健康現況を診断した。ヴォーグ指数とは、主観的に感じる身体的な負担と疲労の程度を、6(非常に楽)から20(最大に大変)まで数値化した指標だ。

調査の結果、学校給食労働者のボーグ指数の平均は、高校の労働者が15.5で最も高く、中学校で15.24、初等学校で15.02、幼稚園で13.68の順だった。これは建設(14.36)、物流センターの夜間固定労働者(14.33)、家電訪問点検員(13.99)より高いレベルだ。

全回答者の60.4%は、肉体的消耗を「常に」経験し、「たびたびある」という応答も30.2%に達した。精神的な消尽もやはり「常にある」が39.2%、「時々ある」が36.8%だった。特に健康状態が業務遂行に適していないが、出勤しなければならない「プレゼンティズム」の経験は、7日以上が49%で最も高く、1~7日も38.3%に達した。

過労指数が高く、事故の危険性も48.1%

チョン専門医は、労働者個人の心拍反応と最大許容労働時間を利用して、労働者の過労指数(実際の負担作業時間/最大許容労働時間)も算出した。

ソウル所在の小・中・高校の学校給食労働者8人を別途に分析した結果、過労指数は0.82~3.02の範囲で、8人の内6人が最大許容労働時間より実際の負担作業時間が更に長かった。過労指数が1を超えると、酸素要求量が急激に増加し、心血管系過負荷の可能性が生じる。

チョン専門医は、今回の調査結果が労働者の健康悪化を越え、職場内の安全と組織の生産性にも否定的な影響を与えると分析した。特に、食数人員当たりの事故危険率を予測すれば、65人以下の場合(37.2%)も高い方だが、100人以上の場合は、48.1%に高まると分析した。

チョン専門医は「労働強度緩和のために、人員補充と同時に、労働環境、健康に対する持続的な介入が必要だ。」「現在、産業保健医・看護師・産業衛生技師などの訪問が定期的に行われているが、普遍的で実質的な保健管理がなされるような制度改編が必要だ」と強調した。

2025年11月3日 毎日労働ニュース イ・ヨンジュン 記

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