遂に「会長」を呼んだ環労委、重大災害の責任は明らかになるか 2023年10月19日 韓国の労災・安全衛生
国会・環境労働委員会が、連続する重大災害で非難されているSPCとDLグループの会長を、2年振りに国政監査の場に呼び出した。系列会社で労働者の死亡事故が繰り返される原因を把握し、グループ段階での再発防止対策を引き出せるのかが宿題だ。「会長」たちが国会に出席するのか、責任ある約束をするのかが注目される。
2年振りに召喚された会長たち、実際に出席するのか
環境労働委員会は全体会議を開き、「2023年度国政監査証人の追加と変更の件」を採択した。SPCの会長とDLグループの会長、クーパンロジスティクスサービスの代表、大宇ウィニアの代表、WUスキンの代表を、26日の雇用労働部と経済社会労働委員会の総合監査の際に、追加の証人として呼ぶという内容だ。
当初、与党はSPCの会長とDLグループの会長の召喚に反対した。環境労働委員会の与党幹事のイム・イジャ議員は「SPCとDLグループには(職場)安全確保の対策を提出するように要請し、資料が提出された。」「経済が厳しい点を勘案して、総帥に恥をかかせ、議員の苦情を解決するための証人採択はしないというのが党の基調だ。国政監査が終わって、提出資料の履行の点検に現場に行くのも方法」と主張した。国民の力の関係者は「国民の目線を考えた」と考えを変えた理由を説明した。
グループ会社の会長らが国政監査の場に登場し、国会が実効性のある再発防止対策を引き出せるのかが注目される。会長らがグループの安全管理体系の問題点を明らかにし、重大災害をなくすために安全管理システムの変化を約束するかが観ていくポイントだ。昨年の国政監査と今年の国政監査では、安全管理体系を変える実質的な権限のない系列会社の代表らが「原因を究明し対策を準備する」という言葉を繰り返したが、同じような重大災害が昨年に続いて今年も起きた。
SPCグループでは、昨年10月に平澤工場で20代の労働者が食品混合機に挟まれて死亡し、今年8月にシャニー城南製パン工場で、50代の労働者が生地ボールリフトと分割機(生地機械)の間に挟まれて命を失う重大災害が発生した。昨年、SPLグループの代表が国政監査の場で叱責された。今年呼び出されたシャニーの代表は、SPCを代表して出て来たと言ったが、SPCグループ全体の安全保護対策を講じる権限がないと指摘され、まともな再発防止の約束ができなかった。
DLグループのDLE&Cは、昨年1月27日の重大災害処罰法施行以後、これまでに7件の重大災害が発生し、8人の労働者が亡くなった。昨年に続き、今年もDLE&Cの代表が国政監査に出席し、安全事故の原因と対応策についての考えを明らかにした。昨年「安全措置、追加増額予算、管理員の派遣、原因究明に最善を尽くしている」と話したが、今年だけで4人の死亡者が出た。今年の国政監査では「再発事案の原因を正確に把握し、全体システムとプロセスに対する防止対策を作り、積極的に施行する」と約束した。
会長らが欠席理由書を提出して出席しない可能性もある。26日は労働部の国政監査の最終日だ。証人が出なければ追加の尋問は難しい。「国会での証言・鑑定などに関する法律」は、証人が正当な理由なく欠席することを禁止し、正当な理由なく欠席すれば、国会の告発で5年以下の懲役または1千万ウォン以上5千万ウォン以下の罰金に処することにしている。大企業のオーナーらは海外出張などを理由に欠席し、罰金を払うのが慣例になっている。
クーパンCLSも召喚、早朝配達員の労働者性を否定するか
国会は、CLSの代表に、13日に軍浦市のビラで早朝配送をしていた60代の宅配労働者が死亡した事件に関しての責任を問う。労務提供者を過労死に追い遣ったのではないかという指摘が殺到するだろう。
CLSは契約の形式を理由に、早朝配達員は自社の所属ではなく、軍浦市の配送業者と契約した個人事業者であるために責任がないと主張している。宅配労組は、早朝配達員はCLSが決める配送物量に拘束されて労務を提供するので、実質的な従属性を持つ労働者だとする。故人の場合、雇用労働部告示の『脳心血管疾病の業務関連性認定基準』を適用すれば67.6時間(52時間×深夜の1.3倍割り増し)働いたと計算される。告示で過労と認定する、12週間で一週平均60時間勤務、4週間で一週平均64時間勤務を超える。
環境労働委員会は12日に、健康上の問題で参加しなかった大宇ウィニアグループの会長には553億ウォン台の賃金不払い事態の解決を追求し、WUスキンの代表を呼んで、職場内いじめに対する謝罪と再発防止対策を追求する。
2023年10月19日 毎日労働ニュース イム・セウン記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=217822