全泰壱(チョン・テイル)三法の立法発議を宣言 -すべての労働者のために必ず勝ち取る 2020年8月26日/韓国の労災・安全衛生
ソウルの清渓川沿いにたてられているチョン・テイルの銅像。この場所で焼身自殺した。 美しい青年 チョン・テイル記念館 HPより
民主労総(非常対策委員長・キム・ジェハ)が26日、全泰壱三法立法発議代表者記者会見を行い、「全泰壱50周年を迎えて、すべての労働者のための全泰壱三法を必ず勝ち取る」と宣言した。
この日の記者会見には、キム・ジェハ民主労総非常対策委員長とイ・ヨンチョル特殊雇用対策委議長などの労働界代表者をはじめとして、パク・ソグン民衆共同行動代表、キム・ミスク重大災害企業処罰法制定運動本部共同代表など、市民社会団体の代表者、シム・サンジョン正義党代表、キム・ジェヨン進歩党代表、ヒョン・リン労働党代表、キム・テヨン社会変革労働者党代表などが参加し、すべての労働者のための全泰壱三法の制定が、全社会的な要求であり、2020年の労働と市民、進歩政治に与えられた時代的な課題であることを宣言した。
キム・ジェハ民主労総非常対策委員長は冒頭発言で「民主労総は今日を皮切りに、全泰壱三法の『全国民立法発議運動』を始める」と宣言した。
「民主労総の組合員は労働組合を持っている。また勤労基準法以上の生活をしている労働者もいる。」「今回の運動はただ民主労総の組合員だけの利害と要求ではなく、勤労基準法の恩恵を受けることができない全2500万労働者のための運動」と話した。
シム・サンジョン正義党代表は連帯発言で、「5人未満の事業場に勤労基準法が適用され、特殊雇用労働者に労働三権が保障される全泰壱三法は、先送りできない時代的な課題」とし、「正義党は21代国会の1号法案として『重大災害企業処罰法』の制定を発議した。民主労総が推進する全泰壱三法と合わせて、21代国会内で通過するように最善を尽くす」と話した。
キム・ジェヨン進歩党代表は「保護されない数多くの労働者の権利のために、民主労総と色々な市民社会団体が共に闘う」とし、「文在寅政府と国会が蔑ろにしたこれらの権利を、国民が直接、力を結集して闘わなければならない」として、進歩党次元で実践的に立法発議運動に参加する意向を明らかにした。
ヒョン・リン労働党代表は「全泰壱烈士の死後50年が過ぎた。今や『勤労基準法を遵守せよ』でなく、勤労基準法の改正を要求する番だ」として「今回の全泰壱三法立法運動は、最小限の人間らしい生き方を作るための条件だ。民主労総と共に『全国民立法発議運動』に最善の努力をする」と話した。
キム・テヨン社会変革労働者党代表も「コロナ19危機状況で労働者がぶつかっている状況は、資本主義社会で既に搾取されている最下層の苦痛が水面上と現れたに過ぎない」と指摘して「実際の労働現場で労働者が闘えるように、法案発議に連帯する」と話した。
市民社会団体を代表してパク・ソグン民衆共同行動代表も「全泰壱三法は制度という垣根の外に追い出された劣悪な境遇の労働者の基本的な権利を保障しようとするもの」で、「すごく遅れた。そして晩時之歎(手遅れ)だ。今でも苦しい労働者を垣根の中に呼んで、法と制度で保護することが民主国家の基本的な要件だ」と強調した。
また、キム・ミスク重大災害企業処罰法制定運動本部共同代表は、現場の切実な声を伝え、重大災害企業処罰法の制定と労組法2条の改正が、労働と産業現場にどれほど切迫し、緊急な要求なのかを力説した。「全泰壱三法は、労働者と市民のすべてが直接法案を議論して発議するという市民運動」として、「国民すべてが10万立法発議に参加して欲しい」と訴えた。
イ・ヨンチョル特殊雇用対策委議長も「特殊雇用労働者は、永い間労組法2条の改正による『労組する権利』を政府と国会に要求してきた。」「今日の記者会見を始まりに、21代国会でなく、今年中に労組法2条を改正できるように闘っていく」と力説した。
全泰壱三法立法発議運動は、勤労基準法11条の改正(勤基法を5人未満の事業場に適用)、労組法2条の改正(労働者の定義)、重大災害企業処罰法制定の三つの立法課題を、10万人の国民の同意で直接発議する運動で、この間、国会議員を通さなければ法案の上程と通過が不可能だった消極的な立法過程から脱皮して、民主労総の組合員をはじめとする労働者・民衆が自ら法案を作って、上程して、通過させるという、直接民主主義に一歩近付いた運動方式だ。
ヤン・トンギュ民主労総非常対策委執行委員長は「早い時期内に法案を発議して、社会的に公論化」し、「民主労総100万組合員だけでなく、全労働者を包括する課題の達成のために、市民社会団体、進歩政党などと幅広く連帯する」と話した。
ヤン執行委員長によれば、民主労総はこの日の記者会見を皮切りに、27日から本格的な立法発議運動を始める。9月30日までに20万人以上の立法同意を勝ち取ると同時に、立法同意の過程に結集したパワーで、法案の通過と定着のための大衆的闘争を作っていく予定だ。
2020年8月26日 労働と世界 ソン・スンヒョン記者
日本語訳:中村猛
http://worknworld.kctu.org/news/articleView.html?idxno=401478&page=2&total=15128