釜山・地下鉄機関士の肺がん死亡に労災認定、『推定の原則』で 2020.07.14/韓国の労災・安全衛生

肺がんで亡くなった地下鉄機関士が、『推定の原則』によって、釜山地下鉄の労働者として初めて産業災害の判定を受けた。業務上の相関性を明らかにする疫学調査なしで、推定の原則によって産業災害と認定した事例だ。他の地域の機関士の産災認定事例に照らせば、発病の可能性が充分にあるという判断だ。

釜山地下鉄労組は、勤労福祉公団が昨年7月に肺癌で亡くなった釜山交通公社の機関士・・Kさんを業務上疾病による死亡と判定したと、明らかにした。

勤労福祉公団は、ソウル地域などの機関士が、石綿などの発ガン物質に相当期間曝露して肺癌に罹ったことがあり、Kさんもやはり同様な事例と推定されるとし、産災の立証に必須とされる疫学調査さえしなかった。

労組とKさんの家族は、昨年7月に特別な家族歴のないKさんが、肺癌によって亡くなった後、勤労福祉公団に産業災害を申請した。1994年3月入社して24年間勤務したKさんが、地下鉄の駅舎や鉄道などに堆積した石綿、浮遊粉塵、ホコリなどを長期間吸い込んだ結果、肺癌が発病したと主張し、疫学調査に備えた各種の資料を提出した。しかし勤労福祉公団は先月15日、異例的に、疫学調査なしでKさんの産災を認めた。

釜山地下鉄労組の関係者は「勤労福祉公団が推定の原則を適用して速かに産災の判定を出したことは意味深い」とし、「今後、勤務中の肺癌を始め、呼吸器疾患に罹った職員の産災認定がたやすくなるものと思われる」と話した。

2020年7月14日 京鄕新聞 クォン・キジョン記者