現代製鉄、一ヵ月前にガス漏れしたのに設備交換でなく、その場しのぎの処方/韓国の労災・安全衛生2025年1月3日
最近、現代製鉄の労働者がガス中毒で亡くなった原因が、会社が亀裂が生じた施設を直ぐに変えるのではなく、補修して使ったためだという調査結果が出た。
金属労組、忠南労働健康人権センター、韓国労働安全保健研究所など『現代製鉄重大災害非常対策委員会』は3日に記者懇談会を行い、先月12日に現代製鉄唐津工場で発生した重大災害の調査結果を発表した。事故当時、唐津工場のガス設備チーム長のAさん(59)は、一人でガス漏れの確認作業中に倒れ、病院に運ばれたが亡くなった。
Aさんの死因はガス漏れによる『一酸化炭素中毒』だった。事故当日の病院の臨床化学結果書を見ると、Aさんのヘモグロビン一酸化炭素水準(COHb)は82.2%だった。疾病管理庁は、COHbのレベルが70%を超えれば3分以内に死亡すると説明する。
事故の場所は昨年11月20日にも配管の間に挿入される伸縮継手管からガスが洩れ、一酸化炭素濃度が高くなったという申告があったところだ。当時、会社は伸縮継手管を交換する代わりに、メタルボンド(金属接着剤)・硬化剤の塗布などの補修作業を行った。Aさんは申告当日と先月10日の二回にわたって補修作業を行い、事故当日にも整備部位を確認していて災害に遭った。
非常対策委員会は「会社が4月頃に交換工事の計画を立てたのは、二次事故発生の可能性を十分に予想していたということ」で、「それでも配管を繋いで使いながら、整備作業を中止させなかったのは、事業主の重大な過失」と主張した。
会社は事故地点の補修作業を『唐津エネルギーガス設備配管修理作業標準』を適用して実施したと主張した。しかし、この作業標準には一般的な鋼管に発生した亀裂の修理方法しかなく、伸縮継手管に対する内容はない。非常対策委員会は「現代製鉄のような工程安全報告書(PSM)の提出対象事業場で、作業標準がない修理作業をしたということは深刻な問題」だと主張した。
新築継手の補修作業に対する危険性評価も正しくは行われなかった。危険性評価は、労使が自ら有害・危険要因を発掘・改善することをいう。非常対策委員会は「評価があるのは日常的な配管修理作業についてだが、この項目の内容も非常に不十分で、ガス中毒の危険をはじめとする多くの有害・危険要因は低い危険性と評価され、改善方案も書かれていなかった」と主張した。
10大核心安全規則違反によって、安全事故が発生した時、違反者を直ちに人事委員会に回付する制度が、労災の隠蔽に繋がるという指摘もされた。非常対策委員会は「安全規則違反者を処罰する制度は、一見すると労災の予防手段のように見えるが、実際に現場では、労災を隠蔽する強い原因として作動している」と主張した。
非常対策委員会は再発防止対策として、新築継手の修理作業標準を作ること、労働者が直接近づかなくてもガス漏れを確認する方式の導入、老朽ガス配管の全面点検、人員補充によって二人一組を実施、危険性評価の実質化、核心安全規則違反者処罰制度の廃止などを提示した。
雇用労働部は、現代製鉄の産業安全保健法、重大災害処罰法違反の有無を調査している。
2025年1月3日 京郷新聞 キム・ジファン記者
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