サムソン電子の労働者の子供の健康障害に『労災』認定/2024年3月22日

資料写真/チョン・ギフン記者

サムソン電子で働いた女性労働者三人の「健康損傷子供事件」が労災と認定された。生殖毒性物質にばく露され、先天性の疾病を持って産まれた胎児障害を、業務上の災害と見た。半導体産業・病院などのような特定の現場でなくても、生殖毒性物質が露出する他の労働現場全般でも同じようなことが起こる可能性があり、対策が必要だ。

「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)によると、勤労福祉公団ソウル南部業務上疾病判定委員会が、サムソン半導体工場で働いたキム・ウンスク(52)さん、Aさん(46)、Bさん(46)の健康損傷子供事件について、22日に労災を認定した。

キム・ウンスクさんは、1991年にサムソン電子の温陽工場に入社し、金型の洗浄作業や半導体の不良を検査する仕事をした。妊娠した状態でも働き、1999年4月に出産した。子供は大腸が本来の機能をしない先天性巨大結腸症と診断された。

AさんとBさんは、1995年にサムソン電子器興工場に二ヵ月間隔で入社した。Aさんは主にウェハー加工業務を行い、Bさんは半導体フォト・エッチング工程で働いた。2008年5月に産まれたAさんの子供は、先天性無腎症・先天性食道閉鎖と片目の発達遅延などの障害を患っている。2004年9月に産まれたBさんの子どもは、腎臓無発生・IGA腎症(骨髄幹細胞疾患)・傍管尿管逆流・持続性血尿などの病気を抱えている。

これら被害労働者は、胎児労災を認める労災補償保険法が改正(2021年12月)される前の2021年5月に労災を申請し、制度改善を訴えた。改正労災保険法の施行後に疫学調査などの労災手続きが始まり、申請から三年目に業務上災害の認定を受けた。

疾病判定委員会は労災承認の理由として、三人の労働者が生殖毒性と生殖細胞変異原性物質にばく露したということを根拠として示した。疾病判定委は、△過去の事業場の環境から有害物質に多くばく露したと推定されること、△重大な奇形は流産するケースが多いが、半導体業種の女性勤労者に流産の増加が確認されること、△勤務中に流産を経験し、事務職に転換した後に産まれた子供が健康なことなどを根拠に、三人の子供の健康損傷を業務上災害と判断した。

生殖毒性物質へのばく露による健康被害子供の問題は、特定産業だけの問題ではない。安全保健公団によれば、生殖保健の危険は、建設業・保健業など、様々な産業現場で確認されている。作業場の環境に大規模な点検・改善が必要な状況かもしれない。

男性労働者の子供の胎児労災が業務上災害と認定されるかも関心事であり課題だ。改正労災保険法は母親の胎児労災は認めるが、父親の胎児労災は明示していない。サムソン電子LCD事業部で働いて、2008年8月に退社した男性労働者Cさんは、翌年5月に子供が産まれた。彼の子供はチャージ症候群によって目・心臓・後鼻孔・発達・生殖器・耳の大部分に障害を持っている。彼は妊娠前の三ヶ月間の有害要因へのばく露が胎児の病気に繋がったとして労災を申請している状態で、現在疫学調査が行われている。

パノリムは「生殖毒性被害を経験している多様な労働者を確認しようとする努力、そして生殖毒性から安全な事業場を作ろうとする努力は、半導体だけでなく、社会全般的に進められなければならない。」「父親の業務に因って発生した健康損傷の子供も、労災保険に含めるべきだ」とした。

2024年3月22日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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