明け方倒れた宅配労働者・・・過労死に重大災害法を適用できるか 2022年11月14日 韓国の労災・安全衛生

道端で食事をするローゼン宅配ターミナルの宅配上下車の業務を担当する日雇い労働者たち。/労働者提供

先月19日未明、ローゼン宅配の利川ターミナルで50代の日雇い労働者のAさんが死亡した。ソウルなど首都圏各地でも初氷が観測された寒い日だった。食事を終え、業務を再開してから数分も経たないうちにAさんは体に異常を感じて床に座ったが、その後、目覚めることはなかった。

Aさんが病んでいる病気はなかった。同僚の労働者たちは「過労」が死亡原因だと主張する。Aさんは継続的に夜間労働をしていたが、休憩時間はきちんと保障されていなかった。

ローゼン宅配の事業所は重大災害処罰法の適用対象だ。しかし、1月に重大災害法が施行された以後、労働部が過労死事件に対して重大災害法違反の疑惑を適用したことは未だにない。労働者たちは、今回こそ重大災害法違反を検討すべきだと見ている。

Aさんは日雇いとして3年以上、利川ターミナルで宅配の上・下車とスキャン・分類業務を担当した。業務時間は、月曜日は午後7時30分から翌日午前6時、火曜日から金曜日と日曜日は、午後8時から翌日午前6時までだった。

勤労契約書で保障された休憩時間は1時間だった。食事をして休息を取る時間だ。勤労基準法でも、使用者は勤労時間が4時間なら30分以上、8時間なら1時間以上の休憩時間を与えなければならない。しかし、同僚労働者の証言と映像などを総合すると、食事時間を含めて休息時間は15分程度に過ぎなかった。業務時間より前に仕事を始める日もあった。事故が起きた当日も、Aさんは15分で食事を終えて業務を再開した途端に倒れた。

Aさんが病院に移送されている間も、同僚の労働者たちは働き続けた。Bさん(40代)は、「退勤する頃、死亡の知らせを聞いた。現場で長く一緒だったので挨拶も交わす仲だったが、心が沈む気分だった」「死亡事故の翌日も、会社からは再発防止対策に関する言葉はなかった。業務環境に変わったことは何もない」と話した。

日雇い労働者がこのような問題を直接会社に提起することは難しい。直接建議すれば、「不満があれば辞表を書きなさい」「外国人の労働者もいる」という返事が返ってきたりする。

元請けのローゼン宅配は「休憩時間の不保障などについては、現在確認している」とし、「会社は当社のターミナルで作業する勤労者の保護のために、下請け業者とは、勤労基準法上の勤労条件、保健管理などの関連法令を遵守することを請負契約の内容に含めて締結している。違反事項が確認されれば、請負契約を解約するところまで検討している」と話した。「勤労時間を確認したところでは、過労と認められるほどの勤労ではなかったということを、請負業者から返信された」と説明した。

該当事件を担当する雇用労働部京畿支庁は、「解剖の結果が出次第、死因についての調査を進め、産業安全保健法と重大災害法違反の有無を検討する予定」と話した。

先月7日、勤労福祉公団は現代製鉄浦項第2工場で「週6日・72時間労働」をしていて亡くなったクレーン運転手に対して、過労死を労災と認定した。労働部は該当事件に対しては重大災害法違反を未だに適用していない。労組は「労災と認められた労働者の過労死にさえ重大災害法が適用されない理由は何か」「事故原因を正確に把握し、きちんとした処罰と再発防止対策が用意される時に、企業殺人は防ぐことができる。重大災害法の適用を直ちに決定せよ」と追求した。

労働部が、落下や墜落、挟まれるなどの重大災害に比べて、過労死に対する重大災害には法適用に消極的なのではないかという指摘が出ている。機械的に労働時間を遵守したかどうかで安全保健義務措置を問うとすれば、法の適用は難しくなる。重大災害専門家ネットワークの共同代表のクォン・ヨングク弁護士は「過労死で、個人の疾病があるかどうかは医学的な観点であり、労働条件から見なければならない。週52時間を遵守しても、休息時間の保障や、連続作業による労働強度に対して措置をすることなどが、安全保健確保義務だ」と指摘した。

労働部の関係者は「労災補償を認定するからといって、全てを重大災害法に持ってくれば、処罰も容易ではなく、むしろ社会的な非難だけが起きかねない。総合的な判断がされるべきだ」とし、「過労死に厳しく適用するのではない。墜落や挟まれなど安全措置違反が明白な重大災害でも、故意性がなかったり予見可能性がなければ、検察の指揮を受けて終結処理をする」と話した。

2022年11月14日

京郷新聞 ユ・ソンヒ記者

https://www.khan.co.kr/national/national-general/article/202211141634001