金海でも労働者三人『急性トリクロロメタン(クロロホルム)肝臓中毒』トゥソン産業と同じ洗浄液 2022年2月21日 韓国の労災・安全衛生

急性中毒による職業性疾病患者16人が発生したことに関し、18日、労働部の釜山地方雇用労働庁と昌原支庁がトゥソン産業の家宅捜索を行った。トゥソン産業の急性中毒は重大災害処罰法の施行後、初めて確認された職業性疾病による重大な産業災害だ。写真は労働部の関係者がトゥソン産業に入る様子。/聯合ニュース

昌原で職員16人が急性中毒になったのに続き、金海でも労働者が肝中毒の症状を見せ、雇用労働部が職業性疾病を判断する調査に着手した。

民主労総慶南本部と雇用労働部梁山支庁によると、金海の自動車部品製造企業「テフンR&T」の労働者三人が、最近肝臓の数値異常を示し、労働部が作業環境と関係があるかどうかを確認する調査に乗り出した。

テフンR&Tの部品洗浄工程で働いていた従業員は、先月、体調を崩して病院へ行き、「肝臓に異常がある」という医師の所見を受け、治療を受けた後、会社に復帰した。しかし、間もなく肝臓の症状が再び悪化し、病院に入院しなければならなかった。同じ部署の同僚二人も似たような症状を感じて病院を訪れたが、この15日間で数値が平均値を大きく上回っているという診断を受けた。これらの診療記録を閲覧した慶尚南道勤労者健康センターは、「同じ部署の労働者三人が同時に肝臓疾患を起こすのは問題がある」と判断し、雇用労働部の梁山支庁に届け出た。

慶南勤労者健康センターの関係者は<ハンギョレ>との電話で「三人とも40未満でなければならない肝臓の数値が1000を超え、一人は治療を受けてよくなったが、会社復帰後に再び症状が悪化した。」「いずれも洗浄工程で働く労働者なので、作業場内に原因があると推定した」と話した。

民主労総の慶南本部によると、テフンR&Tは昨年の7~8月頃、洗浄液を製造会社『ユソンケミカル』に変えたという。ユソンケミカルは、社員16人が肝急性中毒と判定されたトゥソン産業の洗浄液メーカーだ。トゥソン産業の労働者もエアコン部品の洗浄工程で働いていて、洗浄液から出た「トリクロロメタン」に基準値以上曝露し、肝臓の数値異常症状を示した。昨年10月に新たに使用されたユソンケミカルの洗浄液が原因として挙げられた。雇用労働部梁山支庁は、労働者三人の肝臓中毒の原因が、洗浄液などの作業環境と関連があるかどうか調査している。

一方、洗浄液製造会社であるユソンケミカルに対しては、製造過程が適法であるか、別途の調査が行われている。トゥソン産業は「洗浄液が納品された時から成分情報が間違って記載されていた」と主張している。雇用労働部の関係者は「テフンR&Tの肝臓中毒の件を含めて調べている」と明らかにした。

2022年2月21日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1031973.html

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