油が飛び散る調理室、熱を発するエンジンルーム・・・室内熱中症の労災が急増/韓国の労災・安全衛生2026年08月23日

全北・全州のある学校の給食室で22年働いているAさん(51)は、夏の調理を終えると作業服から靴下まで汗でびっしょりになる。服を着替えてからでなければ、子供たちに配膳できない。Aさんは「エアコンをつけても調理中には効果がなく、夏は汗で湿疹になるのが日常です」と話した。「フードやエアコンなどの設備を改善し、夏は熱が高い揚げ物の代わりにオーブンを使うなど、食事も調整しなければならない」と嘆いた。
猛暑による産業災害が、Aさんのように屋内で働く労働者まで脅かしている。民主党のパク・ヘチョル議員が労働福祉公団から受け取った『熱中症による産業災害の処理状況』によると、室内熱中症の労災認定件数は、2022年の2件から2023年の4件、2024年は19件、昨年は18件と増加している。今年7月までの室内熱中症の労災認定件数は4件である。
室内での熱中症リスクが高い場所としては、学校の給食・調理室、工場内の密閉空間、溶接・メッキ作業場などが代表的である。昨年8月、京畿道華城市のある調理室で働いていた労働者は、強い吐き気と冷や汗のために病院に運ばれた。当時、調理室のエアコンは故障した状態だった。2024年7月には、調理室で炒め物の副菜を作っていた労働者が、同年8月には、レストランの厨房で炭火で肉を焼いていた労働者が、熱中症に罹ったこともあった。
製造業では、ガスや冷媒などの産業材料を入れるタンクやエンジンルームといった密閉空間、溶接やメッキなど、熱が発生する作業場が脆弱だった。7月に密閉空間で溶接作業をしていた溶接工は、溶接のスペースに換気設備がなく、大量に汗をかき呼吸困難を起こして倒れた。2024年8月、大田で一人の労働者が、保護具を装着したままタンクで塩酸を運んでいたときに、暑さのせいでめまいと発熱が起こし、救急搬送された。
産業安全法第52条は、屋外はもちろん、屋内作業の中止権を規定している。但し、『緊急の危険』の場合にのみ作業中止が可能という曖昧な表現のため、作業の中止は容易ではない。クォン・トンヒ労務士は「屋外作業中の指導が勧告に止まっている状況では、屋内ではほとんど現場で利用されていない」と指摘し、「勧告ではなく、強制規定を作るべきだ」と話した。
室内環境の改善も急務である。民主労総公共運輸労組・教育公務職本部の イ・ミンジョン労働安全局長は「熱が発生する調理時間はもちろん、お湯から蒸気が発生する洗浄時間は、温度と湿度が共に高い。しかし、配膳時間に間に合わせなければならないという理由で作業停止が難しいため、換気や冷房などの設備改善が必要だ」と話した。
2026年8月23日 ハンギョレ新聞 クォン・ヒョジュン記者


