建設の「産業安全」管理責任は「元請け」/韓国の労災・安全衛生2026年08月20日

▲ 建設現場では、建設会社と下請け契約を結んだ複数の専門建設業者が層を重ねて工程ごとの施工を担当する。 <資料写真:チョン・ギフン記者>

建設現場の『産業安全』問題は、元請け建設会社と下請け労働者が、団体交渉を通じて解決すべき労働条件である、というソウル地方労働委員会の判断が示された。ソウル地労委は、複数の工程が絡む現場全体を統合的に管理する地位自体が、元請けの使用者性の根拠だと見た。

<毎日労働ニュース>が入手した七つの決定文を分析した結果、ソウル地労委は先月7日、バンド建設、大宇建設。斗山建設、HLD&AIハルラ、双龍建設、ホバン建設、暁星重工業の『元請け使用者性』を認めた。元請け建設会社が、建設労組に所属する下請け労働者の産業安全衛生・労働条件を、実質的に支配・決定していると判断した。

さまざまな工程が絡む建設現場、安全責任は元請け

ソウル地労委は、多数の下請け業者が一つの建設現場に組み込まれて働く建設業の特性を、元請けの使用者性を認めた共通の根拠とした。個別の下請け業者の努力だけでは限界があるため、工事の全過程を統括する建設会社が、産業安全を担当すべきだと解釈した。複数の工程が連動して進行するため、ある工程で発生したリスクが他の工程や現場全体に波及する可能性があるということだ。総合建設業者と下請契約を結んだ専門建設業者(下請業者)は、元請建設会社が発注者から受注した現場に投入され、工程毎の施工を担当する。

元請け建設会社らは、産業安全衛生法や重大災害処罰法、建設技術振興法に基づく安全管理義務を履行しただけで、下請け労働者の労働条件を決定したわけではないと主張した。

しかし、ソウル地労委は、法令上の義務履行自体は元請けの使用者性を否定する根拠にはならないと判断した。バンド建設とHLD&AIハルラ事件では、「産業安全衛生法が発注者に安全措置義務を課した理由は、元請けだけが現場全体の作業標準を作り、複数の下請け業者の作業工程を調整し、施設を管理できるからだ。」「多数の下請け労働者が混在して施工する建設現場の特性と、中層的な下請け関係から生じる発注者と下請け業者間の地位、そしてそれに伴う役割の違いや責任範囲を考慮した場合、実質的かつ効果的に産業安全を確保できる主体は、発注者しかいない」と説明した。

出入りの制御から危険作業の承認まで、建設会社の決定

ソウル地労委は、実際に暁星重工業・斗山建設・大宇建設などの建設会社が工事全般を総括し、現場への出入りや作業順序の調整、作業環境の改善、危険作業の承認など、下請け労働者の安全を左右する重要な事項を実質的に決定していると判断した。複数の下請け業者は個別に決定できず、現場全体を管理する元請けだけが決定できる領域であるという趣旨だ。

ホバン建設の場合、すべての建設労働者が顔認識システムを通過しなければ現場に入れないようにしていたことは、単なるセキュリティ管理を超えて、労務を提供する人員自体をコントロールしたものだと判断した。このシステムが勤怠や賃金算定に使用されていなくても、建設労組の交渉要求の議題は『産業安全』なのだから、作業場や設備に対する支配・統制力を判断するのには影響がないと見た。

ホバン建設が、ドローンや閉回路テレビ(CCTV)、スマート安全ベストなどの安全管理機器の導入の有無や活用範囲を自ら決定し、それらを通じて現場の作業・安全状況をリアルタイムに管理していた点も使用者性判断の根拠となった。下請け労働者の作業環境と安全に関する労働条件を、構造的に支配・統制したものと看做された。更に、各建設会社が独自に開発した安全政策やプログラムを運用している点も、元請けの利用者性を裏付けている。

2026年8月20日 毎日労働ニュース イ・スヨン記者

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