学校給食労働者の肺ガン労災、裁判所が「教育庁に責任」/韓国の労災・安全衛生2026年09月09日

学校給食室肺がん対策委員会は、昨年1月22日にソウル中央地方法院前で、国家と地方自治体を相手取った損害賠償請求訴訟の提起に関する記者会見を行っている。対策委と肺がん労災被害者9人はこの日、訴訟を提起し、約1年8ヶ月の審理の末、8日に裁判所が自治体の賠償責任を認めたが、国の責任は認めなかった。 ⓒ学校非正規職労働組合

学校の給食室で働いていた労働者が肺がんに罹って労災を認定され、国と地方自治体を相手に提起した損害賠償訴訟において、裁判所は地方自治体の賠償責任を認めた。国を相手とした請求は棄却されたが、光州・全南・慶北・釜山などの自治体には、原告一人当たり1000万ウォンの賠償責任が認められた。

ソウル中央地裁は、学校給食の調理師として働いていたGさんたち9人が、国と光州広域市、全羅南道、慶尚北道、釜山広域市に提起した損害賠償請求訴訟で、原告の一部勝訴判決を行った。

Gさんたち9人が訴訟を提起したのは、昨年1月22日である。原告たちは、国と地方自治体が、学校給食労働者の身体と健康を保護する義務を果たさなかったため、肺ガンを発症したとして、一人当たり1000万ウォンの損害賠償を請求した。約1年8ヶ月にわたる裁判の末、判決が出された。

裁判部は、地方自治体に対しては賠償責任を認め、光州広域市には原告4人に、全羅南道と釜山広域市にはそれぞれ原告2人に、慶尚北道には原告1人に、各1000万ウォンを支払うよう命じた。一方、国を相手取った損害賠償請求は棄却した。

最低12年、給食室で勤務・・・9人全員が肺ガンの労災認定

原告9人は全員、学校給食室で少なくとも12年以上を調理師として勤務した労働者である。原告たちは2022年から2024年にかけて、労働福祉公団から調理業務と肺ガンとの業務上の因果関係を認められ、労災と認定された。

原告たちは訴訟で、国が学校給食室を、「産業安全保健法」が全面的に適用される事業場の範囲から除外し、調理の過程で発生する煙や微細粉じんである調理ヒュームなどの有害因子に対する管理・監督を怠ったと主張した。

自治体に対しては、調理ヒュームを安全に排出できる換気設備を適切に整備しておらず、保護具を支給しないなど、給食労働者の安全と健康を守る義務を果たしていないと主張した。

対策委「教育庁が給食室の安全・健康を責任を持って担う主体であることを認定」

「学校給食労働者の肺ガン労災被災者に対する国の責任の履行と再発防止を求める対策委員会」は、判決直後に声明を発表し、「残念だが歓迎する」と明らかにした。

対策委は今回の判決について、「地方自治体(教育庁)が給食室の調理員の安全と健康に責任を負う主体であることを明確に認めた初の判決」であり、「給食室で働く労働者が病気にならず、健康に働ける環境を整えられなかった責任を問うた初の判決」であると評価した。

事件の代理人団は、教育庁が管轄学校の給食室の換気設備を適切に管理せず、必要な保護具を支給しなかった点、安全教育を適切に実施しなかった点、一人当たりの食事人数を過度に配置した点、調理ヒュームに曝されざるを得ない調理方法を使用した点、などを責任の事由として挙げた、と明らかにした。

裁判所は、各教育庁が原告らの肺ガン発症に伴う精神的な苦痛について責任を負うべきだと認めた。

但し、代理人団は、給食室の安全衛生問題を法・制度的に放置した国の責任が認められていない点については、遺憾の意を示した。

肺ガン労災被災者は200人余り・・・「換気設備・人員基準を改善しなければ」

学校給食労働者の肺ガンが初めて労災として認定されたのは2021年である。その後、労働組合と市民社会は、給食室における肺ガン発生の原因を究明し、労働者の健康と安全を保障するための制度改善を求めてきた。

対策委によると、肺がんの労災被災者は200人に迫り、2026年7月時点で公式に確認された死亡者は17人だ。

対策委は、これまで政府と教育部、教育庁のうち、学校給食労働者の労災について責任を持って公式に謝罪した責任者はいないと指摘した。

今年初めに、国会が「学校給食法」を全面改正し、制度的な基盤が整った。改正された「学校給食法」は、学校給食を『教育の一環』と規定し、学校給食従事者の健康と安全のための施策の策定を、国と地方自治体の任務として明記した。政府が適正人員基準を整備し、教育委員長が従事者の配置基準を調整するといった内容も盛り込まれた。

しかし対策委は、学校現場の換気設備改善事業は遅々として進んでおらず、工事後も不適合と判定されるがケース続いていると指摘した。教育部の学校給食法施行令の整備過程においても、法改正の趣旨と現場の要求が十分に反映されていないと批判した。

対策委員会は今回の判決を契機に、教育部と教育委員会が責任ある措置を講じるべきだとし、▲学校給食労働者の肺ガン労災被災者への適切な補償、▲学校給食法施行令の整備と人員増強予算の編成、▲換気設備改善事業の早期完了と適正な配置基準の策定、▲肺ガン労災再発防止のための政府横断的な総合対策の策定、などを求めた。

対策委は「今回の判決の意味は金銭的価値を超えなければならない」。「今回の判決を契機に、国は模範的な使用者としての責任と役割を果たすべきだ」と明らかにした。

続けて「教育部と教育委員会の前向きな態度の変化を追及する」。「すべての非正規職労働者の死なずに働く権利のために、今後も連帯して闘う」と明らかにした。

2026年9月9日 民衆の声 クォン・ジョンスル記者

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