猛暑の中、宅配労働者が今月だけで三人死亡/韓国の労災・安全衛生2025年7月10日

歴代級の猛暑の中で宅配労働者の死亡が続出している。労働者たちは緊急な対策作りと同時に特殊雇用職に対する制度改善が必要だと指摘する。
宅配労働界によると七月に入って、現場で三人の宅配労働者が続けて亡くなった。
4日、仁川地域のあるCJ大韓通運代理店の所長A氏が、車の中で呼吸をしていない状態で発見された。A氏は病院に急いで運ばれたが死亡した。作業点検、分類作業業務を行った後、「車で休む」と言った後だった。
7日にはソウル駅三洞地域を配送していたCJ大韓通運の宅配労働者B氏が、午前7時に出勤した後、嘔吐の症状を見せた。B氏は分類作業に参加した後、休息中に倒れて病院に運ばれたが死亡した。続いて8日には、京畿道地域のCJ大韓通運の宅配労働者のC氏が午後9時頃、部屋の中で意識を失ったまま発見され、病院に移送されたがやはり死亡した。午後7時に帰宅した後、夕食を終えた後だった。
宅配労組が死亡した三人の労働者に対する健康診断を確認した結果、全て糖尿・高脂血症など、脳心血管疾患を患っていた。猛暑の中で基礎疾患者を中心に死亡事故が発生しているわけだ。特に、宅配労働者は、野外で長時間・高強度労働をするという点で、猛暑により一層脆弱だ。
宅配労組は△エアコン付き休憩室の設置、△塩・氷水などの提供、△作業中止権の保障、△作業場内に扇風機・移動式エアコンの設置とターミナルに電力供給の拡大、△車輌ドックに日除け幕の設置、△冷却ベストの支給などの対策を要求した。また、野外作業者保護のための制度改善を求めた。昨年、産業安全保健法に、猛暑時に事業主の義務措置が追加されたが、宅配労働者は「特殊雇用職」として法が適用されない。
宅配労組は「しばらく立っているだけでも、目が回るレベルの猛暑の中で、一日2万歩以上も歩いて走る宅配労働者が、直撃弾を受けている。」「緊急な対策と法制度的な整備が至急だ」と注文した。
韓国労総・全国連帯労組宅配産業本部もこの日声明を出し「宅配労働者は冷房用品と飲料水、休憩施設も用意されていない労働環境で、つらい労働をしているが、宅配事業者は労働者に『自分で予防せよ』という要請だけをしている。」「宅配事業者が直接責任を負わなければならない」と要求した。
2025年7月10日 毎日労働ニュース イ・ヨンジュン 記者
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