韓国労総「財界、重大災害法のメッタ斬りを中止すべき」 2022年2月25日 韓国の労災・安全衛生
財界による「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)への揺さぶりが続いている。韓国労総が厳正な法律執行と捜査をしなければならないと政府に注文した。
韓国労総は24日に声明を出し、「企業・法律事務所・マスコミ・使用者団体は、労働者の死によって金を稼ぎたいという浅薄な認識から抜け出せ」と主張した。重大災害処罰法は先月27日に施行されて一カ月も経たないうちに、使用者団体と一部の法律事務所・保守メディアに攻撃されている。韓国経営者総協会のソン・ギョンシク会長は最近、「企業家を締め付ける反企業立法を正す」として、重大災害処罰法を取り上げた。主要な大手法律事務所は、顧問をしている企業が重大災害処罰法で起訴されれば、違憲法律審判提請を申請すると意気込んでいる。
韓国労総は「数えきれないほど多くの労働者が死亡し、怪我をして作られた重大災害処罰法を、メッタ斬りにする様子が懸念される」とし、「処罰を恐れるのなら、法を無力化しようとせずに予防を徹底すれば良い」と指摘した。重大災害処罰法は、経営責任者が安全保健経営のための安全保健確保義務を遵守せず、重大災害が発生した時だけ処罰する。安全経営計画などを樹立して履行していれば、たとえ重大災害が発生しても処罰対象に含まれない可能性が高い。
韓国労総の関係者は「相次ぐ重大災害に対する雇用労働部の捜査が始まると、いくつかの法律事務所は恐怖を煽り、労働者の命を担保にした商売に熱を上げており、一部マスコミもこれに同調している」とし、「こうした雰囲気が続けば、重大災害処罰法制定の目的は消え、企業は安全保健の怠慢経営を続け、労働者はまた死んでいくことになる」と懸念の意を表した。
韓国労総は、労働部に厳正な捜査とともに、企業への支援対策を立てるべきだと注文した。24年から法適用対象とされる50人未満の事業場が、きちんとした安全保健管理体系を樹立できるように支援するべきだと明らかにした。
2022年2月25日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=207600