苗木の上に霊前の写真・・『追悼の森』で悲しい植樹の日・・加湿器殺菌剤、アスベスト、ラドンベッド被害 2021年4月5日 韓国の労災・安全衛生
「たった一度だけでも会いたくて。本当にごめんね。」
心を込めて植えた苗木の上に霊前の写真が丁寧に置かれた。遺影写真の前に座ったソン・ミジョン(57)さんは、震える手で写真を何回も撫でた。加湿器殺菌剤被害者であるソンさんの夫は、4年間、肺疾患を病んで昨年2月に亡くなった。夫の名前を呼んだソンさんは、痩せこけた木の枝を掴んで嗚咽した。ソンさんの周りで加湿器殺菌剤被害者の遺族たちと石綿被害者もそれぞれ苗木を植えて、先に逝ってしまった家族を追悼した。
環境保健市民センターと韓国石綿追放ネットワークなどが5日の植樹の日を迎えて、ソウル市麻浦区の夕焼け公園に集まり、被害者を追悼して治癒を祈る『追慕の森』の植樹行事を行った。2016年の植樹日を皮切りに、毎年、環境被害者を追悼する追悼の森造成行事が行われる。この6年間で500株余りの木を植えた。この日は加湿器殺菌剤被害者の遺族たちと石綿被害者10人余りが、木犀と栗など30本ほどを植えた。
参加者は加湿器殺菌剤と石綿被害は現在進行形だと訴えた。18才で石綿関連疾患の悪性中皮腫と診断されたイ・ソンジン(30)さんは、10年前に左側の肺全体を切除する手術を受けた。イさんは「10年前に手術を受けた後、2年間は家にばかりいて、現在は職場生活をすることも難しい状況」とし、「政府が被害者の補償に積極的に取り組んで、同じような被害が繰り返されないように努力しなければならない」と話した。ソン・ミジョンさんも「生きている被害者は依然として苦しんでいる。被害者と遺族が口惜しい思いをしないように、積極的な被害救済が必要だ」と強調した。
環境保健市民センターのチェ・イェヨン所長は「加湿器殺菌剤と石綿被害者と認定された人が8千人余りに達し、被害の申請をしたが認められなかった事例も5千人を越える。自分たちが加湿器殺菌剤や石綿被害者だとも知らずに亡くなったり、闘病中の患者も数え切れないほどだ」として「政府の被害者認定の基準が狭い。被害救済に積極的に取り組み、補償の水準も高めなければならない」と指摘した。
2021年4月5日 ハンギョレ新聞 カン・ジェグ記者
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/989714.html?_fr=mt2
加湿器殺菌剤など環境被害者『追悼の木』
加湿器殺菌剤の被害で8年前に夫人のキム・ヘジャさんと死別したチョ・ビョンニョルさんが5日、ソウル市麻浦区の夕焼け公園の中の『環境被害者追悼の森』で木を植えて、夫人の名前が書かれた認識票を付けている。
環境保健市民センターは6年前の植樹の日に、初めての環境被害生存者の回復を祈る植樹を始め、加湿器殺菌剤と石綿被害者のための追悼の森を夕焼け公園に造っている。
2021年4月5日
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202104052111025&code=940100