新型コロナ労災 大阪=労災請求378件、認定94件、不認定1件(11月13日現在)。「職種別内訳を公表するところまで手が回らないし、合計を口頭でなら答える」(大阪労働局)
労災認定状況を口頭回答:全国比で決定(処理)割合が半分
北海道、東京、兵庫の地方労働局が、自局管内の新型コロナ労災の請求、決定状況の概要を明らかにしているなかで、大阪労働局補償課に対して、関西労働者安全センターが電話で問い合わせをおこなった。
以下、関西労働者安全センターからの報告である。
本日午前中に大阪労働局より要旨次のような回答があった。
- 厚生労働省からは、新型コロナ労災の請求件数等の情報を公表については、局の判断に行ってよいとの連絡がすでになされている。
- これを受けて大阪局としては、請求件数が多く忙しいので、まとめた数字を公表するというかたちはとれないが、問合せには口頭で応じる。
これを受けて、当方より口頭で労災請求等の状況を質問したところ、次の回答があった。
11/13現在で、
- 労災請求件数は、378件(全国:2050件)
- 決定件数は、95件(1060件)
※請求件数に対する割合は、大阪95/378=25.1%、全国1060/2050=51.7% - 95件のうち支給決定(認定)件数は、94件(1036件)
- 95件のうち不支給(不認定)件数は、1件(24件)
厚生労働省が随時、全国の労災請求状況を公表しており、11/13現在では次の通りで、今回の発表で、認定件数(支給件数)がはじめて1000件を超えた。
全国と同様の職種別公表内容などを要請
400件近い労災請求件数となっていることがはじめてわかったが、大阪の決定済件数の割合が上記(赤下線)のように、全国の半分にとどまっていてあまりに不自然であるが、理由の説明はなかった。
労基署~局~本省の労災請求にかかる処理体制がどのようになっているのかが正確にわからないので、こちらの質問も非常にしにくいこともあり、そうであれば、新型コロナ労災の処理にかかる通達、事務連絡などの行政文書の公開請求をする必要があるので、今日の電話連絡においては、指示文書の文書名を教えていただきたいということを伝えた。
また、本省の公表と同様に職種別の数字の公表を強く要請した。
各地方局の労災補償状況の公表を
以上の関西労働者安全センターの報告と北海道、兵庫の報道、東京労働局の交渉時の回答を踏まえると、厚生労働省は、各地方局が管内の労災請求等の状況を公表することについて各局の判断に委ねているのは間違いなく(各地方局は非公表としていた従来の方針が転換されている)、各局とも「問合せがあれば答える」ことで一致している。
しかしながら、だれが考えてもこれは非効率であり、おかしなことである。
すべての労災請求事案を統括している厚生労働省本省が、現在の全国数字の随時公表とともに、都道府県別の内訳を公表するべきである。即時にそのような対応に改めていただき、各地方局の負担を軽減するべきである。