『クールルーフ』に移動式エアコンまで地方自治体の猛暑対策 2020年8月20日/韓国の労災・安全衛生

道峰(トボン)消防署に用意された猛暑休憩室 ソウル市提供

全国的に猛暑警報が発令されるなど連日猛暑が続き、地方自治体と消防当局が先制的な猛暑対応対策を行っている。

ソウル市はこの日、社会的弱者のための猛暑対策として、重症障碍者2683人にクールマット、冷温水マットなどの冷房用品を買って支援すると明らかにした。自ら身体を支えることが難しい重症障碍者が、夏に一般のマットレスを使って皮膚病などに罹る被害を減らすための措置だ。今回支援するクールマットは、障碍者が直接作った重症障碍者の生産品施設の製品で、重症障碍者が便利に使えるように特別に製作された。

ソウル・広津区の場合、コロナ19の拡散で老人施設の利用が難しい低所得老人の50世帯に、移動式エアコンを提供した。生活保護受給者の老人を対象に、半地下、屋上などの劣悪な環境の所帯を選んで優先支給した、というのが区庁の関係者の説明だ。更に、区は外部活動が困難な妊婦1800人にクールマットと防疫マスクを支援した。

『クールルーフ』事業も応援されている。最近、大邱西区庁は、夏に脆弱階層の住民の猛暑による被害を減らすための『クールルーフ事業』を完了した。クールルーフの施工とは建物の屋根や屋上に反射率の高い白い遮熱ペイントを塗ることで、これによって太陽光を反射して熱を遮断し、建物内の温度を3~5度ほど低くし、都市のヒートアイランド現象を緩和する効果を得ることができる。安東市の観光地の河回村では、観光客の安全のために『河回日傘』100個を入口に備え付けた。

猛暑に消防当局も非常勤務体制に入った。ソウル市消防災難本部は9月30日まで、猛暑対策119救助・救急状況室を24時間稼動すると明らかにした。猛暑警報が発令されれば、12の貧民街の『119安全キャンプ』が稼動する。119安全キャンプは、猛暑に弱い地域住民たちにイオン飲料などの冷たい飲用水を提供し、地域周辺の温度を下げる散水作業も行う。

独居重症障碍者の被害予防のために『119安全支援コールセンター』も運営する。消防署別に管理する独居重症障碍者753人に電話で安全を確認し、救助要請時に応急処置などを支援する。

熱射病患者の緊急搬送のために、救急隊151台、バイク救急隊22台が、24時間非常出動体制を取っている。更に、電力消費量の急増による停電時のエレベータへの閉じ込め事故などに緊急対応するために、発電車4台(消防2台、韓電2台)も非常待機させる。市消防災難本部は「猛暑特報の発令時には、最大限野外活動を自制し、むかつき、めまいなどの症状があれば直ちに119に申告して欲しい」と話した。

2020年8月20日 ハンギョレ新聞 パク・ユンギョン記者

http://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/958618.html