疫学調査中に毎年20~30人が死亡、長い労災処理期間は「依然と」/韓国の労災・安全衛生2026年09月10日

労災の被災労働者が補償を受けるまでに経験する困難が、統計で確認された。業務上の疾病かどうかを判定する疫学調査中に死亡した労働者は、2020年以降、毎年20~30人になった。労災判定の結果を待つ間に亡くなった労働者たちだ。労災処理にかかる期間も2019年に比べて約一ヶ月延びるなど、補償指標の悪化の傾向が顕著な様相だ。
疫学調査中の死亡者、2018年以降で189人・・・7割は遺族給付が承認された
『毎日労働ニュース』が国会・気候エネルギー環境労働委員会のパク・ヘチョル「共に民主党」議員から受け取った『疫学調査中の死亡者と遺族給付承認率』などの資料によると、2018年から2026年6月までに、疫学調査期間中に死亡した労働者は189人だった。
疫学調査の途中で死亡した労働者は、2018年に11人、2019年に12人、2020年に20人、2021年に26人、2022年に29人、2023年に30人、2024年に27人、昨年に25人、そして今年の6月までに9人である。労災の有無を確認するまで長期間待っていた労働者が、生前にその結果を知ることなく死亡し、その後に遺族が補償を受ける事例は少なくない。疫学調査期間中に死亡した労働者の遺族給付承認率は、2018年から2026年上半期までで、平均66.9%を記録した。10件中7件が、最初の審査で承認されたことになる。
労災を認定されるまでにかかる期間も依然として長い。パク・ヘチョル議員が公開した『業務上疾病の労災申請と承認状況』によると、業務上疾病の労災処理に要する期間は、2019年の平均186日から今年6月には221.4日に、35.4日長くなった。今年に入って短くなる傾向を示しているにも拘わらず、苦痛の期間は2019年に比べてむしろ一ヶ月以上長くなった。
騒音性難聴は一年以上待たなければならず、全体の承認率も54.3%
政府は昨年9月に『業務上疾病の労災処理期間短縮案』を発表し、処理期間を来年までに、平均120日までに短縮するという目標を示した。国政企画委員会も業務上疾病の処理期間の短縮を迅速推進課題として提案したことがある。今年に入ってからは処理期間も短縮されているようだ。雇用労働部によると、今年第1四半期の業務上疾病の処理期間は229.6日で、昨年の同期間より30.6日短縮された。今年6月の累計221.4日は、昨年の年間処理期間244.7日より23.3日短い。しかし、2019年の平均186日と較べると35.4日長く、政府が来年までに達成すると明らかにした120日とも大きな差がある。
騒音性難聴が処理期間の長期化を招いた。騒音性難聴の処理期間は、2019年の平均305.2日から2026年6月の449.5日に、144.3日延びた。労災認定を受けるまで平均で1年3ヶ月月かかったことになる。職業性ガンは、2019年の平均309.3日から2026年6月には283.5日に、やや短くなったが、依然として平均9ヶ月以上かかった。
疾病の労災認定率は低下傾向にある。承認率は2021年の63.1%から、2022年は62.7%、2023年は57.9%、2024年は57.1%、2025年は56.7%に低下し、2026年6月には54.3%まで落ち込んだ。特に脳心血管疾患の承認率は、2019年の41.2%から今年上半期には29.5%に下がった。精神疾患の労災認定率も大きく下がった。2019年に68.1%だったが、2026年6月には50.1%に低下した。職業性ガンは2019年の68.4%から2026年6月には36.1%に、呼吸器系疾患は26.7%から20.3%に低下した。
ただし、申請件数が急増したことで、処理しなければならない案件自体が大幅に増えたという点は併せて考慮すべきだ。業務上疾病の労災申請件数は、2019年の1万8266件から2025年には5万0946件に、約2.8倍増加した。今年は6月までで3万3233件である。労働福祉公団は「毎日労働ニュース」に対し、「騒音性難聴を除けば、業務上疾病の全体処理期間は平均159.4日で、国政課題の遂行に向けた今年の目標である160日以内に短縮した。」「騒音性難聴については、聴力検査専門医療機関の認証制度を整備し、全国83ヶ所の病院・医院にまで特別診察機関を拡大した」と説明した。騒音性難聴の労災申請は、2019年の2962件から、今年6月時点での7103件に急増した。
労災判定前の給付、「先保証制度」が導入されるのか
パク・ヘチョル議員「一刻も早くゴールデンタイムを確保すべきだ
労災処理の遅延によって、労働者とその家族が被る負担を軽減するためには、いわゆる『労災先保障制度』の導入を急ぐべきだと指摘されている。政府は、労災申請後、一定期間が経過した場合、被災労働者に対して、療養給付と休業給付を優先的に支給する案を検討している。
4月に開催された「労災補償職場復帰総合支援団」の会議では、法定災害調査期間である申請後90日、疫学調査などの医学的助言が必要な場合は180日が経過した後、被災労働者の申請に応じて、療養給付と休業給付を優先的に支給する労災保険給付の先行保障推進案が議論され、来年度予算への反映にも繋がった。雇用労働部は来年の労災保険給付予算を8兆6246億ウォンに、4783億ウォン増額した。労災先保障制度の予算436億ウォンが新設、計上された。
制度を具体化し、予算にまで反映された以上、実際の導入時期を前倒しすることも検討すべきだという意見が続いている。パク・ヘチョル議員は「労災申請件数は急増しているのに承認率は低下し、処理期間だけが際限なく長引く現在のシステムは、明らかに被災労働者とその家族を危険に曝す行政だ」。「政府は来年下半期に、傷病手当の本事業が施行される時期まで制度を放置するのではなく、苦しんでいる労災被災者のゴールデンタイムを確保するための労災先行保障制度を、早急に導入すべきだ」と強調した。
2026年9月10日 毎日労働ニュース カン・ハンニム記者
https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=236692


