『一人で働いて死ぬことがないように』・・・九宜駅惨事10周年「二人一組作業を義務化せよ」/韓国の労災・安全衛生2026年05月18日

18日午前11時30分、ソウル地下鉄2号線・九宜(クイ)駅の内線ホームに列車の進入を知らせる案内放送が流れた。ホームで列車を待っていた乗客たちが一斉に9-4番のスクリーンドアの向こうを見た。列車が入る度に吹く風で、スクリーンドアに貼られた色とりどりの追悼ポストイットが、蝶のようにひらひらと舞った。その下には白い菊が20本置かれていた。
10年前の2016年5月28日、現場実習生で、下請けの非正規労働者だったキム君(19歳)が内線ホームの9-4番のスクリーンドアを修理している最中に、列車と衝突して死亡した。彼の誕生日の前日だった。スクリーンドアの保守作業は二人一組で行う必要があるが、当時は公共部門の経営効率化を名目に、人員削減と外注化が進められ、キム君は一人で作業を行った。事故の直後、キム君のバッグから見つかったカップラーメンは、劣悪な非正規労働者の待遇と、危険の外部委託の問題を象徴するシーンとして記憶に残った。

九宜駅での労働災害死亡事故の10周年が10日後に迫るこの日、民主労総公務運輸労組、全国鉄道・地下鉄協議会、ソウル交通公社労組などの市民団体が、九宜駅で『九宜駅事故10周忌追悼週間』の宣言式を開催した。彼らは「依然として、職場で一人で死んでいく労働者たちの現実が続いている。」「政府と国会が、危険業務の二人一組作業を制度的に義務化し、現場の労働者が実感できる安全人員を実質的に拡充すべきだ」と訴えた。
韓電KPS非正規職支会のチョン・チョルヒ泰安分会長は「数日前、釜山新港でも27歳の労働者が、安全装備なしで6600Vの高圧電流で感電死した。」「キム君が亡くなった時、社会は労働者を殺さないと約束したが、効率という名の下に『二人一組』は依然として書類上だけに止まっている」と明らかにした。
金溶均財団のキム・ミスク代表は「毎日7人が亡くなり、七つの家族が壊される恐ろしい世界なのに、国が産業安全に全く関心を持たずに回っている現実に、怒りを感じる。」「重大災害処罰法と生命安全基本法は通過したが、その趣旨が生かされなければ、張り子の虎に過ぎないだろう」と話した。

参加者たちは宣言式が終わると、キム君が亡くなった2号線9-4番のスクリーンドア『追悼の壁』の前で花を捧げ、故人を偲ぶポストイットを貼った。地下鉄に乗ろうとしたとき、母親と一緒に追悼の壁を訪れてポストイットを貼った市民のペ・某さん(53歳)は「10年前にキム君のニュースを初めて見たときを想い出すと、今でも胸が熱くなる」と話し、胸に手を当てて当時の心境を語った。彼は「今も現場で多くの労働者が亡くなっているのに、変化は簡単には訪れないようで残念だ」と話した。
公共運輸労組は29日までを追悼週間とし、追悼の壁を運営する。19日には国会で開催される「危険業務二人一組義務化法改正討論会」を皮切りに、追悼文化祭(22日)、市民追悼式(28日)、キム君の誕生日記念式(29日)などを順次開催する。
2026年5月18日 京郷新聞 キム・ウンソン記者


