パノリム「勤労福祉公団は立法不備を口実にした『子供の労災を不承認』取り消せ」/韓国の労災・安全衛生2024年12月26日
労働災害で子供が障害を持つようになった労働者たちが子供の労災を申請したが、勤労福祉公団がこれを不承認とし、反発している。公団が立法不備の隙を突いて拙速な決定をしたというのが理由だ。
サムソン電子の器興工場などで働いている途中でガンに罹ったユ某さんら、元・サムソン電子の労働者三人と「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)などは26日、ソウル永登浦区の勤労福祉公団ソウル南部支社の前で記者会見を行い、「子供の労災に関する申請を不承認とした公団の措置は間違っている」として、これを取り消すように要求した。
ユ某さんは1997年からサムソン電子器興工場と華城工場で生産職として働き、2010年に子供を産んだが、子供が4年後に自閉症と診断され、自身も2022年に卵巣ガンと結腸と直腸の間に生じるガンの診断を受けると、先月本人と子供の労災を申請した。他の女性労働者の一人もユ某さんと同じような事例だ。
しかし、勤労福祉公団は申請から一ヶ月後の12日、二人とも不承認の処分を行った。請求時効が過ぎたというのが理由だ。子供の労災を初めて認めるとして、2022年1月に施行された労災補償保険法は、法施行前に発生した子供の労災は、施行から一年になる2023年1月までに労災申請ができるとする時効を設定したが、ユ某さんたちはそれ以後に申請したために、法を適用できないという論理だ。
男性のチョン某さんは2011年までサムソン電子天安工場でエンジニアとして働いたが、2010年に産まれた子供が目と心臓、生殖器などに障害を持つ、いわゆるチャージ症候群に罹って産まれた。チョン某さんは、自分が働いた労働環境が各種生殖毒性物質にばく露する環境であることを後になって知り、子供を労災と認定してくれと申請し、6月に公団から、チョン某さんの勤務環境と子供の疾病の間に相当因果関係があると認められた。
しかし、公団は現行法が母親の子供の労災を認めるだけで、父親の子供の労災は認めないという理由で、労災としては認めなかった。労災補償保険法は『妊娠中の勤労者』が各種有害化学物質にばく露し、子供が障害を持って産まれた場合のみを労災と認定する。チョン某さんは9月に、再び判断して欲しいと疾病判定委員会に審査請求を提起したが、9日に棄却通知を受け取った。
パノリムは、過去に子供の労災を2023年1月までに申請できるようにした現行法の代わりに、申請期間を3年に延長することと、父親の子供の労災を認めるとする労災補償保険法改正案が国会に提出されている状況で、12・3戒厳政局などを経て、国会が該当改正案を扱い難い状況に乗じて、公団が不承認処分したのは『拙速処分』と批判した。パノリムは「子供の労災は、両親の労働過程で発生した有害物質へのばく露によって健康被害を受けた子供たちの問題」で、「国家と事業主が一緒に責任を負うべき事案だが、勤労福祉公団と雇用労働部は、むしろ被害者たちに高いハードルを課している」と指摘した。
2024年12月26日 チョン・ジョンフィ記者