妊娠中の業務による胎児の健康損傷に産業災害を認める初めての判決(2020.4.29韓国・大法院)に寄せて:パノリム(半導体労働者の健康と人権守り)の見解

済州医療院の二世の疾患を産業災害と認定した大法院判決を歓迎する
法制度の正しい改善と二世の疾患に対する社会的関心が必要だ

「妊娠した女性労働者に、その業務に起因して発生した『胎児の健康損傷』は女性労働者の労働能力に及ぼす影響の程度と関係なく産業災害保険法第5条第1号で定めた労働者の『業務上災害』に含まれると見るのが妥当だ。」

妊娠中の女性が劣悪な勤務環境のために先天性疾病のある子供を産んだとすれば、産業災害に該当するという大法院の初めて判決が出ました。問題提起から10年目に出た結果でとても遅くなりましたが、当然の判決が出されて幸いです。半導体電子産業にも二世疾患で苦痛を受けてきた被害者がたくさんいます。今日の判決がこの方たちの希望になるように願います。

劣悪な勤務環境のために先天性疾病のある子供を産んだとすれば、産業災害に該当するという大法院の判決が出た。済州医療院の労働者が問題を提起し、10年目に出た判決だ。

済州医療院の労働者の二世疾患は、大法院の判決の以前にも既に明白な職業病だった。ただ、今まで韓国の法制度がこれを産業災害と認定しなかっただけだ。産業災害保険法は職業性の二世疾患の可能性を考慮しないまま続いてきて、勤労福祉公団はそのような法を理由に、二世疾患に対して職業病なのかの判断もせず、不承認としてきた。
そうした点で、今回の大法院の判決は、遅くはなったが誤りを正した判決といえる。

私たちの社会は今回の判決を契機に職業性二世疾患の問題を真剣に調査しなければならない。
胎児に影響を及ぼす有害要因としは、薬品だけでなく化学物質、重金属、電離放射線、交代勤務、重量物取り扱い、ストレスなど、多様な要素がある。多様な有害要因であるだけに、看護師だけでなく多様な職群の労働者が二世疾患の危険に暴露している。

半導体/電子産業は職業性二世疾患の可能性が強く提起されてきた産業だ。
海外では既にこの問題が社会的な問題となっているし、論文も多様に出ている。電子産業は上記のような多様な二世疾患の危険要因をほとんどすべて持っており、その他の不確かな危険要因も多い。したがって相当な規模で二世疾患の被害事例があると予想される。実際にパノリムに二世疾患の事例を情報提供した被害者もいて、パノリムも彼らの声を通じて電子産業二世疾患の可能性を提起することもしてきた。

大法院が産業災害を認める判決を行ったが、依然として残っている問題がある。
現在の給与体系では二世疾患に対する適切な補償が難しいため、二世疾患を考慮した給付体系の整備が必要だ。

そして産業災害の認定基準が難しければ、申請自体をあきらめることになる。
二世疾患の規模を明らかにするためには、産業災害の認定基準を低く設定しなければならない。
また、二世疾患は両親の両側の影響を受けるので、女性労働者だけでなく、男性労働者による二世疾患までを考慮した法制度改善にならなければならない。

パノリムは今回の大法院判決を歓迎し、判決以後に残された課題を解決するために共にする。
政府と国会は産業災害保険法制度を正しく、そして早急に改善しなければならない。そして全社会的にこの間閉ざされた二世疾患の問題を明らかにする努力がなされなければならない。
二世疾患に対して、今後より多くの産業災害申請が行われ、より多くの調査がされ、より多くの予防措置が行われることを期待する。

2020年4月29日
パノリム (半導体労働者の健康と人権守り)